「で、つまり?」





最初っから最後の答えを聞くなんてこいつ真性の馬鹿じゃないの、なんてことはこの小さな胸の奥底まで沈み込めてどうにか口から出ないように出ないようにするだけ。そんなこと言っちゃったらどっちも嫌な想いしかしないことくらいわかってるしね。それくらいの理性は私に残されてるみたい。

なんだか今日は凄いイライラしててまるでイリアのが移ったんじゃないかと思うくらいだった。あたしは自分で言うのもなんだけど結構我慢出来るタイプだと思ってたし思われてたから、アンジュやルカに何回も心配されたし注意もされた。

でもさ、あたしだってまだまだ餓鬼なわけだからいまいち自分をコントロール出来ない日もあるの。愛想笑いとか、疲れちゃうじゃない?別に皆といるとき愛想笑いばっかりしてるとかそういうんじゃないけど、ちょっとしたそういうこととかもしたくなくなっちゃう。めんどくさい…っていうか、やりたくない。それから無償に泣きたくなっちゃったりそうじゃなかったりみたいなね。仕方ないの、思春期ってそんなもんじゃない?
私だけがそうなるわけじゃなくて多分誰もが気分が乗らない、とか思い通りにいかないとか絶対にあるでしょう?いきなりこんな旅することになっちゃって、親とか友達とかもいなくなっちゃって。やっぱり多少は動揺とかあったみたいだから。ほんのちょっとだけ精神不安定なの。あ、でも明日には治るのよ?引きずったりしてたら本当に餓鬼みたいじゃない。
だからそういうこと、ただのきまぐれ。きまぐれなんだから。
そんなきまぐれごときにアンジュとかリカルドとかを引っ張ってこれないでしょ?ましてやルカとかイリアじゃ更に悪化しちゃいそうだし、えっとエルは…多分もう寝てるんじゃないかな。コーダと相変わらず凄い量食べてたしね。
だからこの翠色の髪した彼に頼むしかないんだけど(本当に仕方なくこいつなんだから!)、すんごい機嫌悪そうな感じで。明らかに寝起きだしね、っていってもまだ八時だよ。健全な十七なら起きてる時間だよ。
同年代だったら男女の違いはあれど多少はわかってくれるかな、みたいな期待もあった。
一応目的を持って彼の部屋を訪れましたけれども。
目的を果たすまでの過程をあたしは踏みたかったわけだけれども。雰囲気とかも微妙だし、私の考えとか聞いて欲しかった。別に話をしたかったとか、そういうんじゃないけどさ!
でもそれで、最初に出た言葉が“つまり?”って!明らかにめんどくさがってるじゃない、結論急がなくたっていいじゃない!
わかった、わかりました、結論から言いましょう。あぁ、なんか憎たらしそうに笑ってる。さっきまであんなにつまんなそうだったのに一体なに。


だから、つまり、つまりね







「…抱き締めて、スパーダ。」


「…お安いごようだっての。」





センチメンタルナイト
(寂しいなら最初にそう言え)



――――
キリ番小説。



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