「名前、一つ聞きたいことがあるんだよねぇ」


そう俺がニヤリと笑ってやれば、名前は案の定びくりと体を震わせて、なんでしょうか、と言った。
そんなに怖がることなんてないのに、なんて思いながら頬杖を付いて名前を見上げる。あぁこの子はほんとに可愛いんだから、ぷにぷにしたその肌に触りたいなぁ、なんてね。



「名前、私が誰だか知ってるよね?」
「閻魔、大王様です。」
「そう、大正解。」


ニコ、と笑みを浮かべても一向に名前は笑わない。まぁ笑ってくれる必要なんてないけど。緊張した名前も、怖がってる名前も可愛いし。



「じゃあ、私が名前を殺せることは知ってる?」
「え……私、もう死んでるんじゃ」
「そうだよ、だから、魂を殺すの。跡形も無くね。肉体が死ぬより何倍も苦しくて、辛いらしいよ。」
「…っ…」
「もちろん向こうの部屋にいる鬼男くんだってそうだよ。いつも色々やられてるけど、彼を地獄に落とすくらい造作もない。
彼の足をむしりとることも、心変わりさせることも、記憶を奪うことも、なんだって出来る。だって俺、閻魔様だもんね。」



みるみるうちに名前の顔色が変わっていく。表情は絶望に、きっと頭の中は嫌な想像でいっぱいなんだろう。
鬼男くんの名前が出て、更に表情が歪む。ドアが開かないかと期待してチラチラと視線が動く。無駄だよ名前、彼は今は来ない。来れない。



「じゃあ、質問だよ、名前。
あ、嘘ついたら舌ひっこ抜いて、地獄行きだからね。」






さぁ、君はなんて答えるのかな。誰を犠牲にするのかな。











「君がこの世で一番愛してるのはだぁれ?」







心から俺を愛せよ

(人間って凄いんだよ、愛のためなら心だって偽る)


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