拝啓
朝夕めっきり涼しくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

…なんて堅苦しい言葉は抜きにして。
染岡くん、お元気ですか?ちょっと前に電話をもらったときには北海道を出発して京都へ行くと言っていたから、今頃は京都の方までついたのかな?それとももう別の場所に行っちゃったかな?
イナズマキャラバンが出発してからだいぶ日数も経ったね。ニュースで宇宙人の話を聞くとやっぱり染岡くんたちのことが心配になります。
みんな元気にやってるって信じてるけど、怪我とかしてないよね?特に染岡くんはよく無茶をする人だからそれが心配です。

雷門町は少しずつだけど元通りに戻りつつあるよ。学校も今工事してて、新しく建て直すみたい。あそこまで壊されちゃえば当たり前だよね。
染岡くんたちが宇宙人を倒してこっちに戻ってきたときには新しい校舎が建ってるといいなぁ、なんて最近は思ってます。
毎日学校があったころは学校なんてなくなっちゃえばいいのに、とか思ってたはずなのに。本当に学校がなくなっちゃうと学校が恋しくなるなんて、なんだかおかしいね。
でも早く前みたいに雷門中で染岡くんと一緒に過ごしたいな。
一緒に授業受けたり、一緒に帰ったり。くだらないことで笑ったり。そんな当たり前なことをしたいって、思うんだ。





あのね。染岡くんと離れてる間に、私の染岡くんへの好きって気持ちが抑えきれないくらいあふれてきてる。
私より大きな背中。大きくてあったかい手。
少し照れながら、なまえって呼んでくれる、私の大好きな声。
染岡くんの全部が大好き。本当に大好きなんだよ。
会いたい、なんて染岡くんの前じゃ絶対に言わないけど、でも本当はすっごく会いたいの。
これは私のわがままだよね。でも、染岡くんも私に会いたいって思ってくれてると凄く嬉しいな。
今度染岡くんが雷門町に戻ってきたら、いっぱいいっぱい好きだって伝えるから覚悟しててね!





そういえば。なんで手紙を書いてるか、きっと疑問に思うよね?
理由を答えるとしたらなんとなく、としか言えないんだけどさ。
電話やメールじゃなんだか味気ないかなって思って。じゃあ手紙でも書いてみようかって思ったの。
でもね、いっつもキャラバンで移動してる染岡くんに手紙を届けられないっていうのは分かってるから。これは本当の自己満足。
私が染岡くんを大好きだって、それを言いたいだけだから。
この手紙、紙飛行機にして飛ばしてみようって思ってるんだ。
もし、もしもね。染岡くんの手元にこの手紙の紙飛行機が届いたら凄く素敵なことだって思わない?なんてね。


それじゃあ、この辺でこの手紙は終わるね。
怪我と体調にだけは本当に気をつけて、元気に過ごしてください。私は雷門町でずっと染岡くんを想いながら待ってます。

みょうじなまえ







恋文





追伸。
やっぱり、染岡くんに会えなくてさみしいので
今度会えたときには私のことをぎゅっと抱きしめてください。



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