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「今日は帰る」

「あれ、もう帰るの?」

「ああ」

「最近泊まっていかないね?」

「まぁな。邪魔したな」


赤井さんと付き合ってもう何年だろうか。
よく私の家に来たり、私が行ったり、泊まったりしていて、最近同棲したいなーなんて思い始めてきた。

でもそれと同時に、赤井さんが泊まっていかなくなった。
私が泊まりに行くと言えば普通に泊まらせてくれるが、何故か私の家に来た時は帰ってしまう。


「なかなか同棲したいって言えないなー」


なんて玄関で1人ポツンと呟いても虚しいだけなので、中へ戻ることに。

現在の時刻は21時。
夜ご飯も食べたし、特にすることもなくコーヒーをいれてテレビを見る。

最近はこれが日課。
明日も仕事があるから早く寝ればいいものの、赤井さんといると何故か眠くなって寝てしまう為、夜は眠くならない。


「なんで赤井さんといると眠くなるんだろー」


最後の一口を飲み干し、シャワーを浴びて無理やり寝ることにした。


ーーーー


「休憩入りますね」

「はーい。あれ、なんか元気ないね」


仕事中は隠しているつもりだったが、勘の強い先輩にはすぐバレてしまった。


「最近ちょっと悩みがありまして……」

「じゃあ私も一緒に休憩入るから、悩み聞くよ?」

「いいんですか?」

「いいよいいよー!」


なんて優しい先輩だ。
頼りになる先輩だし、何か打開策をだしてくれるかもしれない。


2人で休憩室に向かい座って一息つくと、早速どうしたのか聞いてくれた。


「私赤井さんと付き合って長いんですが……最初の頃はよく互いの家に泊まってたんですけど、最近私の家に来てもすぐ帰っちゃうんです」

「あー彼氏さん?忙しいんじゃないの?」

「まぁ仕事柄忙しいとは思うんですが……次の日休みとかでも帰っちゃうんですよ?」

「1回しか見たことないけど、とても浮気する様な人には見えないしねー……」

「赤井さんは浮気なんてしませんよー。私が行った時は泊めてくれるんです」

「じゃあ名前ちゃんの家での行動に原因があるんじゃないの?」

「え」


……私かぁ。
特に何かした覚えもないんだけどなぁ。


「何か思い当たる事ないの?」

「思い当たる事ですかー?んー……」

「無いみたいね」


まぁ何かしたわけじゃないけど……
赤井さんがいる時に眠くなるくらいかなー。


「寝てるくらいですかねー」

「え、彼氏さん来てるのに寝ちゃうの?」

「え、やばいですか?」

「やばくはないけど……彼氏さんその間何してんの?」

「寝てるからわかんないです……」


だよね。と笑われた。
もしかして……暇なのかな、赤井さん。


「もしかして暇だから帰っちゃうんですかね?」

「かもねー。だって彼女ん家来たのにずっと寝てたらつまんなくない?」


うわめっちゃ正論。


「ですよねー……ははっ」




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