06





「それは、私……黒羽君が好きだから」

「そっか……………はぇっ?!」


今までの態度からは考えられないような言葉に、なんとも間抜けな声をあげてしまった。

黒羽君に迷惑だからとかそんなのだと思ってたけど、まさかの逆告白に度肝を抜かれる。


「黒羽君本人になんて相談できないし、そんな仲良い友達もいないし……あいつは幼馴染みだけど、黒羽君との距離が近すぎて相談できないし」

「……なんか、ごめんな」

「黒羽君は優しいから、絶対そう言うと思った。それも嫌だった」

「じゃあ…ありがとうな。言ってくれて。」


優しいのは、名前ちゃんの方だ。
ほんと天使。
その白い肌も、綺麗な心も、優しい気持ちも、髪も、顔も、目も、口も。

全部俺の心を疼かせて、守ってやりたくなる。

俺も、名前ちゃんが好きだ。
………って……


「あの……さ……腕、プルプルしてきたんだけど………」


ずっと腕立てしている状態で、体がくっつかないように離しているから首だけをギュッと抑えられているのはこれ以上にないくらい嬉しい事なのだがもう筋肉が限界………。


「ごっ、ごめんっ!」


思い出した様にパッと腕を離してくれた名前ちゃんの顔は真っ赤。
かーわいー♪


「なぁ名前ちゃん?」

「な、なに…?」

「周りなんて見なくていいじゃん。俺だけ見てろよ。俺の気持ち、知ってんだろ?」

「……っ……黒羽君だけ、見る」


白い枕とシーツに広がった黒の長い髪
綺麗な肌に赤く火照った顔
まっすぐこっちを見つめる、優しくて強い、黒い瞳

そのコントラストがたまらなく俺を煽って、キスをしたくなった。

ここまできたら死にたくないけど、キスなんかしたらほんとに死んでしまうかもしれない。

それでも、欲情は抑えきれなくて。

口に、何度も繰り返すキスをした。

その度に漏れる甘い吐息が俺の心臓を疼かせて、早くさせる。

これ以上はやばいと下半身から伝わって、ようやく唇を離すことができた。


「……死にそう、俺」

「ふふ。キスじゃ死ねません。……でも、私も死にそうだった」


その笑顔と言葉に、またピクリと反応する下半身。

あっぶね。
見られてねーよな?
あーおさまれー
早くおさまってくれー


だってこんな可愛い子が俺のことを好きなんだぜ?
てか両想いだし、もう付き合ってるよな?
え、まじでこれ夢だったら俺一生覚めなくていんだけど。
夢の中で生きて行きたい。
いや、やっぱり夢じゃない事を願う。


「あ!!」

「ぅおっ?!」


急にでかい声をだした名前ちゃんに驚いていると、チャイムが鳴った。
結局最後までサボっちまったな。


「あー鳴っちゃった……授業、黒羽君までさぼらせちゃったね」

「いやこれサボりじゃなくて幸せタイムだからいんだよ」

「わけわかんないよ」


あはは、と困った様に笑う名前ちゃん。まじで天使かよ。
俺、最高の人と付き合えた。




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