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「なー青子聞けよー!今日朝イチで名前ちゃん目撃しちまってさー!めっちゃテンション上がった!なんか名前ちゃんはオーラが違うんだよなー!まじで天使みてーにキラキラしててさー、羽生えてんのか確認の為に背中触りたかったけど引かれそうだから堪えた!」
「……その前におはようでしょ?快斗」
「あ、はよ。んでさー、話しかけてたら早く教室行かないと遅刻するよ?なんて俺の心配してくれんの!!もーまじで天使じゃね?!」
「それ話しかけられたのがうざかったからそう言われたんでしょ。ほんと脈無しなのによくやるよねー快斗も」
違うクラスの可愛い可愛い名前ちゃんは俺の大好きな子!
脈なしなんてわかってる。
というか嫌われてる。
でもそんなんで諦める俺じゃない。
ていうかあんな天使みてーな子を諦めるなんて正直エラ呼吸しろって言われるのと同じくらい無理。
脈がねーなら作ればよくね?!
「あーもーまじで天使だよなぁ……。名前ちゃんにエラ呼吸しろって言われたらできるかも」
「はぁ?なんの話?」
「名前ちゃんの話ー♪俺さ、名前ちゃんにキスされたら……死んじゃうわ」
「キスじゃ死なないしそもそもされないから安心しなよ」
はぁ。と大きくため息をつかれた。
だいぶ呆れているようだ。
だがしかしそんな事はどうでもいい。とにかく俺は名前ちゃんの話がしたくてしたくてしょうがない。
なんて思っていると、チャイムが鳴った。これからめんどくせー授業が始まる。せめて名前ちゃんと同じクラスなら、隣同士なら。
俺は授業の間の休憩を無くされてもいい。
もし隣同士になったのなら、名前ちゃんがいつ教科書を忘れてもいい様に、常に教科書は全て机の中。
黒羽君、教科書見せて貰ってもいい?なんて机をくっつけられたら、僕達もくっつきませんかなんて言っちゃったりしてぐへへ。
「黒羽ー。授業始めるぞー。その顔なんとかしろー」
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