03
「はい、到着です」
やっとついた。
あれにはツッコまなかったくせに、少し経ってトーテムポールの話からインディアンの話になってようやくツッコまれた。
遅いよ。私ショック。
結局透と言えないままポアロ到着。
「あ、おかえりなさいみんな」
コナン君がジュースを飲みながらにんまり笑う。私達はその席に着き、いつも休憩が私のお迎えでなくなってしまう安室さんはエプロンを付けた。
「名前さんはアイスコーヒーですね。蘭さんと園子さんは何飲みますか?」
さすが、わかってるなぁ!
蘭と園子も飲み物を頼み、安室さんが持って来てくれた。
アイスコーヒーにストローをさし、飲もうとするとコナン君がアイスコーヒーをじっと見つめる。
「……飲んでみたいの?」
「あぁ、うん!ちょっとね!」
苦いよー?と言いながら渡すと、ありがとう!と飲み始めた。
「ほんとだー!苦いねー!」
なんて爽やかに言ってるけどちっとも苦そうな顔してないよ?
思ったより、だったのかな?
返して貰ったアイスコーヒーを飲みながらみんなで話していると、安室さんに呼ばれた。
少し手伝って欲しいらしい。
「ちょっと裏で手伝って欲しいんですが」
「はいはい。ちょっと行ってくるね!」
「いってらっしゃーい!」
席を立ち安室さんが先に行った裏へ。
手伝う事はよくあるが、今日は何を手伝うのだろうか。
裏へ入りパタンと扉を閉めると、安室さんがニコニコしながら手招きをしてきた。
「なにー?」
「減点です」
「痛っ!!」
な、なに?!
いきなりデコピンされた!!
痛いよ!!
おでこに手を当て目を白黒させていると、まだ気づかないんですか?とため息をつかれた。
何がさ!
「なんのこと?」
「コナン君にアイスコーヒーをあげるなら、ストローもう1本さしてからあげてください」
「えぇ?!あんな小学生とも間接ちゅーしちゃだめなの?!」
「………」
やばい、言い方間違えたかも……。
安室さんの顔を見るのが怖くて俯いた。
それでも喋らない安室さんの様子を伺おうと、少ししてから顔をあげる。
「安室さ、んっ……!」
いきなりキスをされびっくりして見つめていると、くすくすと肩を揺らしているもんだから、我に返り顔に熱が集まった。
「な、何さぁっ……!」
「可愛いな、って思っただけですよ。間接キスをしたなら、彼氏の僕は直接キスをしなければと思いましてね。消毒も兼ねて」
ほんと嫉妬深いんだから……。
まぁ、そんなとこが嫌いじゃないから一緒にいれるんだけどね。
「わざわざ丁寧に消毒どーも。で?手伝う事って?」
「え?ありませんよ?」
「あれだけの為に呼び出したんかいっ!!」
ぐあー!!
滅入る!!
誰か安室さんの取り扱い説明書くれ!!
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