02
放課後、いつもの様に3人で教室で喋っていると、着信が鳴った。
安室さんからだ。
『名前さん、つきましたよ』
「ありがとう。今から行くね」
『今日は蘭さんと園子さんもいるんでしたよね?』
「そうそう。いい?」
『大丈夫ですよ、後ろ開けておきました』
「ありがとう!!」
電話を切り、3人で玄関へ向かう。
こういうところはほんとに優しいよなぁ。後ろ開けておきましたよ、なんて。なんかなんとなく紳士だよね。
過保護な紳士。
「名前さーん!!久しぶりですね!会いたかったですよ!」
「いや朝会ってるでしょ」
ぎゅうっと抱きしめてくる安室さんを引き剥がし、冷静につっこんだ。
「コナン君、もう来てますよ」
「あらコナン君も来てるんだって、蘭」
「早いなぁ」
「最初誘った時は来ないと言っていたんですがね、蘭さんが来ると言った瞬間、僕も行くっ!って言い出しましたよ」
「あのガキンチョ蘭の事好きなんじゃないのー?!」
「えー?そうかなー?」
なんて会話をしながら3人で安室さんの車に乗り込んだ。
「そういえば、なんで名前は安室さんと付き合ってるのにさん付けなのー?」
助手席に座っていた私は後ろから質問して来た園子に返事をしようと顔だけ後ろを向ける。
「だって…わぁっ!」
そこには視界いっぱいに興味津々といった笑顔の園子。
顔が近い!!
「近いよ…。まぁ、安室さんの事は最初から安室さんって呼んでたし、今更下の名前で呼ぶのも……ねぇ?」
隣の安室さんを見ると、僕は下の名前で呼んで欲しいですけどね、と斬られた。
そんなこと1度も言った事ないじゃないか……!!
「付き合ってるんだから、下の名前でいいんじゃない?」
蘭まで……!!
今更下の名前なんて恥ずかしいよ!!
「あ、安室さんは一応年上だし……」
「もう僕に敬語使ってませんけどね」
ぐぬぅ。
余計なことを……!!
下の名前で呼ばれない事今更気にし始めたな?
「1回だけなら呼べる!!」
「1回ですか……いいですよ、今言って下さい」
「いっ、今?!」
今は蘭と園子がいるから余計恥ずかしい……!!
かと言ってここで言わないでいるのもなんか空気悪くしそうだし、照れてるって丸わかりだし……
「名前ー!言っちゃいなさいよー!」
ヒューヒュー!と煽る園子を蘭が止める。安室さんはニコニコしながら待ってるし、これは言うしかない……!
「わかった言うよ!!」
「「「おぉーっ!」」」
「とっ………」
「と?」
「とととと……とお……っ!!」
「「とお?」」
「とおてむぽーるが見たいなあ!!!」
「「「…………」」」
ひぃいいいっ!!
誰か助けてぇえええ!!
せめて笑って!!
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