03
「だ、誰が来るんだろー?もーどうしたのさコナン君一緒にある人を駅に迎えに行こうだなんて……」
「僕はそんな事言ってないしまだ演技しなくていいんじゃない?」
じとりとコナン君に睨まれたから、演技派は役に入り込むの!と鼻息を荒くするとため息をつかれてしまった。
わかってないなぁコナン君は。
「名前ったら緊張してるんでしょー?」
「まぁ、ちょっとね!5年ぶりだし」
今から会えるんだね。
緊張するけど、楽しみ!
3人で駅のホームで待っていると、遠くから走ってくる女の人が見えた。
「名前ー!蘭ちゃーん!コナン君ー!」
「あっきたきた!和葉ちゃーん!」
きた……!
後ろに平次もいる!
えっ?!あんなでかかったっけ?!
なんて思っていると、和葉が私に抱き着いて来た。
「名前!!久しぶり!!」
「えっえぇっ?!か、和葉?!うわぁ!こりゃびっくりだぁ!!平次もいるよー!?どうしたんだいおふたりさん!ようこそ東京へ!」
「……名前、演技下手すぎやで……そこは相変わらずやんなー」
「え」
どういうこと?と平次を睨むと、苦笑いしてバレたと言われた。
したらすぐ言え平次このやろう!!
おかげでコナン君からも冷たい視線を感じるよ……。
「5年ぶりやな、名前」
「だね。平次は元気してた?」
「してたで」
私の頭にポンっと手を置かれた。
昔はよく喧嘩やツッコミで頭をはたかれていたけど、今回は優しく撫でられる。
なんか不思議な感じ。
手も大きくなったなぁ。
「あ!せや!蘭ちゃんが欲しがってた大坂名物買ってきたで!」
「えーうそうそー!どれーっ?!」
和葉は蘭の元へ行き、後ろで平次とコナン君と私の3人になる。
大坂名物ねぇ。
私は大坂にいたから飽きるほど食べたなぁ。
「あ、せや工藤。今回の件なんやけど」
「工藤って言うなって…!」
なんて平次もコナン君と2人で話出した。
あれれー?
私1人ですか?!
まぁ、話に無理やり入るほどじゃないし、寂しい!かまって!って感じでもない。
あれ、私って結構冷徹?
前の方で蘭と話している和葉と、目の前でコナン君と話している平次を見ながら大人になったなぁなんて母の様な気持ちになっていると、視線に気づいた平次が後ろへ下がって来た。
「あらコナン君いーの?」
「考え事しとるみたいやからのー。あーなったら手に負えん」
平次の視線に合わせ私もコナン君を見ると、俯き加減で顎に手を当て歩くコナン君の後ろ姿。
なんか哀愁漂うけどまぁいいや。
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