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「くーろーばー!!待ちなさい逃げるな!!放課後居残り!!」

「なんでだよー!ちゃんとテスト受けたじゃねーか!」

「ちゃんと答えを書かないと意味ないって言ってんでしょ?!」

「書いたじゃん!『答え』って!」

「そういう答えじゃなぁああい!」



あー!!
ほんっと疲れる!!
足早いし、もう私歳なんだから勘弁してよ……。

現文の先生をしている私。
新人で歳も他の先生より下だからか、黒羽にはナメられている。

頭はいいのに、何故ちゃんと答えを書かないのか。いや、一応は書いている。
答案用紙1面にでっかく、“答え”と。


……いいわけないだろーがぁああっ!!

って……

「あ、れ……?はぁああ…。今日は撒かれたな……」


さすが運動神経抜群だ。
一生懸命追いかけたが結局追いつかず、逃がしてしまった。


テストがある度にいつもこうだ。
今まで小テストは何回もしているが、捕まえられた事は3回くらいしかない。

捕まると素直に従う癖に、毎回逃げる。
一体何がしたいんだ。

でも今回は成績に大きく響く大切なテストだから……


「絶対捕まえる!!」



ーーーー

放課後のチャイム。
中森と帰ろうとする黒羽は敢えて無視し、中森に職員室にノートを一緒に運んで貰うよう、手伝いをお願いした。


「快斗、先に帰ってもいいよー?」

「いや、どっかそのへんで待ってるわ」

「わかったー!」


黒羽を睨みつけると、二カッと笑って手を振られた。むかつくから無視。


そのまま中森を連れて職員室までノートを運んでもらった。

「よしっ、これでいいですか?先生」

「うん、ありがとう!……で、中森にお願いがある」

「はい?」

「今から行くって黒羽に電話して居場所を聞き出してくれない?そして中森には悪いが今日は1人で帰って貰って、代わりに私が行く。今日は何が何でも居残りさせないと、成績に響くの」

「わぁ!面白そう!いいですよ!」

「面白そうって……苦労してるんだぞ…」

「あ、ごめんなさい……でも快斗は喜ぶと思いますよ!」

「何故喜ぶ!!」

「とにかく、電話しますね!」

「私が行くって言うなよ?!」


言うわけないじゃないですかーと楽しそうに携帯を取り出し、電話をかけた。

中森も中森で楽しんでるな?


「うん、わかった!じゃあ今から行くね」

「……どうだった?」

「全然疑ってませんでしたよ!屋上の貯水タンクの上にいるみたいです!」


また立入禁止の場所か……ったく……。


「わかった、ありがとう中森」



そのまま中森には帰って貰い、屋上へ向かった。




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