プロローグ
4月
桜がひらひら踊るこの季節
いつもの校舎
いつもの学校
いつものクラス
この学校とも、今日でさよなら
「えー?!名前引っ越すの?!」
「しかも明日?急だね…」
友達は目を丸くした。
「ごめんね…親が東京に転勤になってさ」
「でも名前一人暮らしだよね?」
「あっちで両親と住むことになったのよ」
「そうなんだあ…悲しい…いきなり言うんだもん…」
「ごめん、悲しませたくなかったから…連絡、入れるから」
「必ずだよ…」
いつも共にしていた仲の良い友達
数少ない友達と抱き合ってお別れ
この日を背に、私は東京に旅立った。
「行くわよ」
「はい、お嬢様」
両親ではなく、1人の男と共にーーー。
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