07-4





大好き……
あいつ今探偵に大好きって……
うわ、俺泣きそう……


「盗み聞きして楽しいか?おっさん」


その声に顔を上げると、じとりと目を細めて深い溜息をついた探偵が俺の正面に座った。


「…あり?バレちった…?」

「バレバレだよバーロー」

「このおじさんの顔知ってんのか?」

「いや、全然知らねえけど…名前とほぼ同時に入ってきて俺達の隣の席に座って……しかもオレンジジュース頼むって……おじさんがここでそんなもんあんまり頼まねえだろ…」

「そんなのわかんねえだろっ?コーヒーはちょっと苦手なんだよ…」


ガキかよ、なんて笑われた。
うぜー。


「んで、なんであのキザな怪盗さんが女の子のストーカーしてるわけ?」

「変な言い方すんじゃねーよっ…!」

「名前が言ってた仲いい男の子って、おめーなんじゃねーの?」

「んだな」

「俺と名前の電話聞いてたのか?」

「おう…たまたまだけどな」

「あいつの話だけ聞けば勘違いするかもしれねーな」

「別に…ただ気になっただけだよ…」

「でも残念だったな。おめーの事は好きじゃねえってよ」


ニカニカと笑うこいつは俺の肩にぽんぽんと手を乗せる。

それをサッと払い抗議した。


「改めて言うんじゃねえよ…崩れ落ちそうだわ…」

「そういうことか」


探偵はふっと笑って俺を見た。

ああ、バレちまったな、きっと。


「おめーのことは大好きだってよ、良かったな」

「まあ嫌な気はしねえよな」


ニヤリと音が出そうな程に口角が上がっている。

むかつく……
こいつ案外性格わりぃのか?



「まあ安心しろ、付き合ってねーよ俺達」

「知ってんよ!!てか好きじゃねーよじゃねえのか?そこは!!」

「さあ?」


そう言うと探偵は名前と自分の分、そして俺の分の伝票まで持って会計をした。


「借り1」

「ふざけんなおめーが勝手に払ったんだろ」


こいつどこまでいいとこ取りなんだよ……



「…名前は…ナイトメアだ。気をつける他ねえ。キッド、おめーは名前と距離が近い。ハニートラップにかかんなよ」

「わぁーってんよ。おめーもだけどな」

「俺は引っかかんねえよ」

「どうだか」



その言葉を最後に2人で背中を向け合い
違う方向に帰っていった。


結局、俺と探偵で名前が探偵として工藤新一に近づいている事を発見したあと、工藤新一がなにかしら理由をつけて名前を突き放そうとしたが嫌がられ、その内に近くにいてくれた方が名前を調べやすいのではないかと判断して、あの電話へと繋がったらしい。

名前は突き放されず、受け入れてもらったのが嬉しくてあーいう態度になっていた…っつーわけだ。

俺的には微妙な気持ちだが。


とりあえず…

探偵と名前がなんの関係も持ってなくて良かった。




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