07-3
「新一くん!」
「よお名前!」
やっぱり探偵か…
2人で着いた席の隣に座って、飲み物を1杯頼む。
新聞を開き、聞き耳を立てた。
「ほんとおめーはいつも遅刻だよなー」
「ごめん!楽しみにしててくれたしょ?」
「してねーよ!ったく…だからキッドも逃しちゃうんじゃねえか」
「ごめんってー♪ふふっ」
「ふふじゃねえ…まあ、本題に入るぞ」
「うん、どうしたの?」
「やっぱり、俺1人じゃ怪盗キッドを捕らえるのは難しい。しかも今はナイトメアという奴も出てきてる。もちろんそいつも逮捕したい。そいつがキッドの宝石を先に盗んじまうと、キッドの逮捕もできねえだろ?」
「うん、そうだね」
「だからお前には、探偵としてこれからも頼みたい。おめーには俺がいねーとな!危なっかしいしよ」
「うん!わかったよ!」
なんだ、そーいうことかよ……
探偵は多分名前が傍にいる方が調べやすいと思って改めて離れない様言ったんだろう。
それはわかるが…
なんであんな思わせぶりみてえな言い方してんだよっ!
それなりの言い方があるだろーが!
んにゃろ〜……
「名前、なんか具合悪いのか?」
「えっ…なんで…っ?」
「なんかいまいちピンと来ない顔してんぞ」
「すみませんねこんな顔でっ…!」
「あっ、いや…そういう意味じゃねえよ…っ」
にひひっ…
ばかだな探偵。
「でも、さすが探偵さんだね」
「どうしたんだ?」
「んー…今日の最後の授業サボっちゃったんだけどさ…放課後になってから仲いい男の子に会ったんだけどなんか冷たくて…私なんかしたかなあと思って…」
「なんか言ったりしたんじゃねえのか?」
「放課後もう1人仲いい女の子と3人でご飯行こうって言われて、用事あるからって断ったのはあるけど…そんな事で怒るような人じゃないし…」
「そしたら気にしすぎなんじゃねーの?名前、そいつの事好きなのか?」
「いっ…いや!!好きではないよ…っ!ほんとに、ほんとに好きじゃない!!」
名前…。
わかってたけどよー……
そんなに否定しなくてもいいじゃんか。
「でもそんな気になるんだろ?本人に直接聞けばいいじゃねえか」
「明日聞いてみようかな」
「おう。スッキリすんなら、本人に直接聞くのが一番だぜ?」
「うん、聞いてみる!ありがとう!」
「おう、じゃあ俺はこれ飲み終わってからでるから。これからも頼むぜ、名前探偵」
「うん!ありがとう新一くん!」
「じゃ、それ置いてけ」
ニコニコしながら名前が持っていた伝票に指を指す探偵。
かっこつけやがって。
「えーいいよ申し訳ないもん!」
「いいから置いていけ」
「はい……ありがと新一くん♪大好き♪」
「っ!!バーロー…」
「へへっ」
名前は笑顔を残して店を出た。
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