07-2
「快斗…?」
「ああ、わりぃ。名前は?」
「まだ戻ってきてないよ」
「そっか…」
「今日、どうする?名前行けないんでしょ?」
「俺もやめとくわ…ごめんな」
「そっか…快斗もほんとに具合悪そうにしてたし、しょうがない……よね…っ」
無理やり笑顔を作った青子に、チクリと胸が痛んだ。そんな笑顔、させたくないのに。
「……青子」
「ん…?」
「また今度、久しぶりに2人で飯でも行くか♪いつも3人だったしな♪」
「…うんっ!!」
子供みたいな笑顔をして、じゃあまたね!!と大きく手を振り帰っていった。
ごめんな青子、最近話も聞いてやれなくて。
ようやく自分の席から立ち、帰ろうと準備をしていると、奥から名前が戻ってきた。
「快斗…?まだ残ってたんだ」
「…どこ行ってたんだよ」
場所も、電話していた事も知ってるが、一応聞いた。
「屋上で寝ちゃって…青子は?」
「帰った」
「そっか…そういえば今先生とすれ違った時に、体調は大丈夫か?って聞いてきたんだけど、きっと快斗か青子が保健室にいるって言ってくれたんだよね?」
「俺が言った」
「ありがとう…ごめんね」
「おう」
「…なんか、怒ってる…?」
「いや?」
「そっか…じゃあ私用事あるから行くねっ…じゃあね!」
「おう」
そういって名前も教室から出ていった。
俺はその後を追う。
ストーカーみたいな自分に自己嫌悪するが、それ以上に探偵とどういう関係なのかが気になる。
2人の関係によっては今後の仕事にも影響が出るかもしれない。
必死で追いかけた途中にたまたま目に入ったおじさんに変装して、やっと追いついて着いた先は一つのカフェ。
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