06-6
「やっと次の授業で最後だなー…」
「そうだねー…って名前はどこ?」
「え、聞いてねーの?」
「え、快斗は聞いてないの?」
「てっきり青子になんか言ってんのかと…」
「何も聞いてないよ?サボるのかな?」
「俺探してくるわ」
「えっでも予鈴もうすぐ鳴るよ…!!ちょっ、快斗ー!!」
「わりー!!聞かれたら保健室行ってるって言っといてくれ!!」
「…なによ…バ快斗」
「名前がサボるなんて珍しいな…どこだ〜っ?」
あたりをキョロキョロしていると、屋上に繋がる階段が目に入り、少しの期待を胸にゆっくり階段を登った。
静かにドアを開けると、遠くの方に名前の後ろ姿。
相変わらず小さくて華奢で守りたくなるような容姿。
それに対して緩い風になびく大人っぽい長めの髪の毛は、俺の心臓の動きを早くさせる。
かすかに聞こえる名前の声。
誰かと電話してんのか?
してはいけないとわかりながらも、聞き耳を立てた。
「…うん、うん。わかったよ♪今日の放課後でしょ?わかってるってばぁ♪ちゃんと行くよ♪だから楽しみにしてて!」
放課後の用事のことか?すげー楽しみにしてるみてぇだけど…誰なんだ…?
「うん、待ってて…」
ーーー「新一くんっ♪」
……は…?
工藤…新一……?
その名前に、頭が真っ白になった。
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