06-5
結局、目暮警部に報告し、館長に事情聴取する事になったらしい。
館長は金に目がくらんだと容疑を認め、闇売買として逮捕。
結局賞金のかわりに本物が返ってきたそう。
そのナイトメアという人物はあっという間に世間に広がり始めたが、人物特定はできず、打ち切りに終わった。
ーーーー
「おはよー青子、快斗♪」
「おはよう名前ー♪」
「おう!おはよ!」
「もうすぐで夏休みだねー!段々暑くなってきたあ」
そういって左手で髪をかきあげる名前
その仕草にドキドキ…なんてしてられねえ。
本物をどうやってまた加工前に戻したんだか。
まぁ、俺は探偵じゃねぇし。
そんな事はどーでもいいけど。
「なあ名前、あのブレスレットどうしたんだ?最近着けてこねえじゃん」
「青子も思ったー!どうしたの?」
「なんか館長さんに返してくれって言われて…返したよ…」
「そうだったんだー…せっかく買ったのに、残念だね…あれ?でも本物ってナイトメアとか言う怪盗が盗んだんじゃ…」
「私が買ったのは本物の1部らしい!気づかなかったよー…まあでも、呪いの噂とかあったしいいかなあ!」
「そうなの?!知らなかったあ」
「らしーよ!」
その会話を平然と話す名前。
全く…私は関係ないみてーな反応しやがって。
黙って見てる俺もおしとやかだよな〜。
「そのナイトメアってさー、お父さん達もよく話してるんだけど、怖いよねえ」
「ねー怖い…」
ごめんね青子。
それ、私なんだ。
“ナイトメア”
意味は悪魔、悪夢
真っ黒で、フードをかぶっていて顔も見えない悪魔のような姿。
エアガンを持っていて、証拠を何一つ残さない、悪夢だったかのようなことから名前がつけられた。
いつしかそう呼ばれていた。
怪盗キッドとは真逆の色の怪盗。
私は宝石を追い
人間は私を追う
それが楽しいの…
両親が蒸発してからの今、私は理想の両親を作り、愛を1人で嘆いてきた。
それを聞いてくれるもの。
あの人たちが残した宝石だけ。
両親ではない、あの人たち……
宝石はきれいで私の全てを吸い込んでくれる様で。
そんな宝石に、私の愛を聞いて欲しい。
そうやって色々な宝石を探していくうちに
宝石探しが楽しくなっちゃって…。
みんな私を追ってきてくれるんだもん♪
「…名前?」
「…んっ?!ごめん、何?!」
「ホームルーム始まるから席戻るね!ってさ♪」
「あ、ごめん青子…わかったよ♪」
青子は手を振って席に戻って行った。
「おめーからボーって音聞こえるぜ?」
「聞こえないでしょっ!!」
2人でけらけら笑っていると予鈴がなったので席へついた。
「名前、今日3人で飯食いに行かねー?」
「ごめん、今日用事あるんだ…」
「そっか…!了解!」
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