06-4





「これでおめーも共犯者だな!」

「…おめー捕まりてえのか?」

「現行犯逮捕しかできない探偵に捕まりたくありませんねえ」

「しかできないんじゃなくてしかしねえんだよ!!…にしても、気持ちわりーなおめーと俺の家くるなんてよ」

「新一!そういうこと言わないの!……じゃあ、私となんて、どう……?」


突然の蘭さんの声にびっくりする探偵。

もちろん、俺が中森警部の格好でありながら出した声。


「……逮捕」

「冗談だろー?わりぃって!」


探偵の家に着いた俺達は中に入り、さっそくノートパソコンで先ほどコピーした映像を確認した。


「この日…こっからだ!!ここの映像、怪しくねえか?確かに館長は親子と話をしてるが…どっか違和感を感じるんだ」

「上書きしてるっぽいな」

「この上書きした部分を消して、本当の映像をリカバリーできねえか?」

「やってみる」


探偵がカチャカチャと操作をしだし、見事成功。


「これがほんとの映像か…館長の部屋…誰もいねえな」

「テーブルの上になんか置いてあるな。プレゼントと置き手紙みてーな…」

「館長入ってきたぞ…置き手紙を確認してる…館長の様子がおかしいな。手紙アップにできねえか?」

「やってみる…」

「…ゲームをしよう。本物のビクスバイトは頂いた。呪いを信じ手放したかったあなたにとって、これほどのいいことはないだろう。近々、怪しんであなたの元にやってくる人物がいる。その時、父と娘の親子に売ったと伝えよ。どう言いくるめるか、それはあなた次第…これに勝ったら、賞金1000万円をあなたに。レプリカもあなたのものだ。このゲームに乗るか乗らないかもあなた次第…。
From.“ナイトメア”…だとよ」

「関連性からして謎の人物の名前…。ナイトメア…か…」

「名前の名前だな。んで館長は賞金に目がくらんで俺達に嘘ついたって事か」

「防犯カメラもきっとそうだろうな」

「それなら盗聴機で館長から聞いた言葉も頷ける」


映像の続きを見ていると、隣のプレゼントの中はレプリカが入っていた。


「どーすんだ?探偵」

「目暮警部に報告する」

「あいつ…ナイトメアは捕まんのか?」

「嫌なのか?おめーと俺の敵だろ?」

「まだ確信したわけじゃねえし…」

「らしくねぇぞどーした?」

「…いや」

「まあ、そう簡単に捕まるわけねえよな」

「だろーな」


だろーな、じゃねぇな
そうであって欲しい。

名前なのであれば、捕まらないで欲しい

探偵もきっと、心のどこかでそう思ってるはずだ。



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