04-3




その映像には、工藤新一と名前が一緒にブルークオーツの無事を確認している姿がうつっている。


なんで探偵と一緒に?!
名前も探偵だったのか…?!
それともただの友達か…?!

いや、でも友達なら会ったばかりのはず

会ったばかりの友達を探偵が事件現場に連れて行くとは思えない。


しかも謎の人物が字を書き終えてから煙が薄まるまではほんの数秒。

もし謎の人物が名前だとしたら、その間に探偵の元に行くのは無理だ。

謎の人物…名前かと思ってたが違ったのか…?
それとも探偵として俺に近づいて来ているのか……



工藤新一に相談しようと思ってたが、きっと名前は、黒羽快斗が怪盗キッドだと知っている。

下手したら探偵に俺の正体をバラされるかもしれねえし……

くそっ…
動けねえ…!

謎の人物は誰なんだ?!
なんで俺に会いたがってる…?

名前は探偵なのか…?!



「映像はここまでだな」

「んー…腕は女性、左利きですね」

「女性で左利きなんてごまんといる…それ以外わからないな…」

「………」

「目暮警部、ちょっとキッドの事で中森警部にお話があるので席を外させて頂きます。」

「ん?キッドの情報か」

「そうです。あっちの部屋へ行きましょう」

「なるべく手短にな」

「はい、目暮警部」


こうして2人で別の部屋に移動した。


「…んで、なんでおめーがここにいんだ?キッド」

「お?よくおわかりで…」

「初めからわかってたぜ?最近、おめーが盗もうとしてる物盗まれてんじゃねーか」

「それがなぜなのか調べにきたんですよ」

「だろーと思ったぜ…きっとあのメッセージも、おめーの事だろ?」

「ええ。多分そうですね。全く素敵な女性ですよ…」


大きなため息をついて、部屋のテーブルによりかかった。

それにつられるように、探偵も隣によりかかる。


「そういえば、あの防犯カメラの隣に映っていた隣の女の子は誰です?蘭さんがいるのに、浮気ですか?」


嫌味で笑えば、ため息をつかれた。


「バーローちげえよ。突然現れた。俺の学校に」

「!!…なぜですか?」

「なんか玄関で俺のこと待っててよ。最近引っ越してきた探偵だとよ。おめーを捕まえたいらしいぜ?だから一緒にいたんだよ。」

「…人気物の怪盗は大変ですね」

「自分で言ってんじゃねえ」

「名前は…言ってましたか?」

「名字名前」

「……そうですか…」

「なんだおめー知ってんのか?」

「いえ、気を付けなければと思っただけです」

「そうか」

「謎の人物が気になりますね」

「おめーが予告状出すの知ってる人物だろ?身近に怪しいやつとかいねえのかよ?」

「…いませんね」

「んだよーなんもわかんねえ。手がかりが少な過ぎんだよ…」

「では、私はここら辺で失礼します」

「なんだもういいのか?おめーの敵が増えた事くらいしかわかってねえだろ」


俺が立ち上がると、探偵はへらへら笑いながら俺を目で追う

わりぃな探偵
もう少し俺1人で調べてみるぜ


「それだけでじゅうぶんです。では」


キッドの姿に戻り、窓から外へ出た。

名前……
探偵か謎の人物か。



そのゲーム、乗るぜ?







「あー楽しかった♪」

「あまり余裕を持てる相手ではございませんよ」

「わかってるわ、伊武。ありがとうね」

「いえ」

「1ヶ月後、ゲームにのったか確かめに行くわよ。…まあ、乗らないはずがないけど」

「かしこまりました」


ーーーー

次の日、名前は何事も無かった様に登校してきた。


「おはよー快斗!」

「ん?ああ、おはよ」

「今日青子は?」

「風邪だってよ」

「そっかー…いいの?大事な幼馴染みの面倒見に行かなくて」

「別にあいつには親いるし、平気だろ!」

「ふふっ。そっか」

「…なあ、名前」

「ん?」

「名前は両親の事どう思ってんだ?」

「…んー…別に普通。ただ、あんまり好きではないよ」

「両親はおめーのことどう思ってんだ?」

「そんなの知らないよ。心配とかはしてくれるけど」

「そっか…」

「私自販機で飲み物買いに行ってくる!快斗、なんか欲しいものある?」

「ん?いや、俺はいいよ」

「そっか!じゃあ行ってくるねん♪」

「おう!」


あいつ…
なんか濁してるな

探偵にしては表に現れやすい。

ほんとに探偵なのか?
それさえも怪しい。

あいつも現行犯逮捕が目的じゃない限り、探偵に俺の正体をバラしていくらでも捕まえられるだろ。



謎の人物の線が高いな。
でも現に探偵といたし…
あいつも特に怪しんでなかったし…
あああ!一つも解決できてねえじゃねえか…!!

探偵の知り合いとなると…
動きずれーな…

とりあえず今日、予告状出してみっか。




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