04-2
『次のニュースです。怪盗キッドが失敗に終わりました。怪盗キッドが盗もうとしていた前日、謎の人物によって盗まれるところだったブルークオーツは、高校生探偵、工藤新一さんによって偽物に変えてあり、本物は無事だったという事です。まだ取り調べ中とのことで、詳しい情報は出ておりません。』
目の前の小さいテレビに少し腹が立つ
失敗じゃねぇっつの…!
作戦なんだよ、作戦!!
「監視カメラを見せてください。目暮警部。」
「おお中森警部か。これなんだが…」
中森警部に変装した俺は、目暮警部と一緒に防犯カメラを確認
その映像には、真っ黒のポンチョを着ている人物が映っていた。
しかしそのポンチョのフードを深くかぶっているため顔は見えない
ブルークオーツのガラスケースを、大胆に拳銃で撃って壊す。
凄い威力だ。
だが、弾がねぇ…
ということは、エアガンか。
しかもかなり改造してるな
「…まさか僕が怪盗キッドの為に用意した偽物を、謎の人物に取られるとは…」
その声に目暮警部は停止ボタンを押し、一緒に振り返った。
「おお、なんだ工藤君かね。君も一緒に映像を見てくれ」
「はい、是非。目暮警部、中森警部、何か手がかりはありましたか?」
「何もねえんだよ…使ってるのは、エアガンってくらいだな」
「それは僕も思いました。事件後、その場に行ったので」
あとで防犯カメラに出てくると思いますと言いながら再生ボタンを押した探偵と、3人で続きを確認した。
エアガンでガラスケースが壊され警報が鳴り響く。
その瞬間、煙幕が防犯カメラを塞いだ。
その煙幕の中、カメラのレンズについた微粒子に、字だけが一文字一文字姿を表して行く。
きっと煙幕の中から字を書いているのだろう。
英語の流れ字だ。
「鏡文字になってる…見にくいな。ここで停止してください。」
レンズにすべて書き終わった部分で停止し、字を逆にして読んでみる。
“This is a Fake.I miss you.”
「これは偽物。あなたに会いたい……バレてたな…誰なんだこいつ…」
探偵が難しそうにしている顔なんて久々に見た。
“あなたに会いたい”
それはきっと怪盗キッド、俺の事…
挑戦状か…?
……!!!
映像を見て、脳に衝撃が走ったような感覚に襲われた。
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