04-1





「おい工藤!!玄関に可愛い女の子いんだけど…」

「あ?へーそう」

「その子が工藤を呼んで欲しいって!知り合いか?!ずるいぞ工藤!」

「その子が…?誰だ…?」



男子達がどこどこ!?とみんないっせいに窓から頭を覗かせる。

俺も窓から覗くと、知らない女が立っていた。


誰だ…?
知らねえやつだな。


「次昼休みだろ?ちょっと行ってくるわ」

「「彼女かー?!ずりー!!」」

「バーローちげえよっ…!」





人の気配に顔をあげると、怪訝な顔でこっちに向かってくる、1人の青年


「工藤新一君?」

「ああ、そうだけど」

「私、名字名前。よろしくね」

「ああ…おう。」

「戸惑ってるわね。ふふ。私も探偵なの」

「…探偵?名前なんて名前聞いたことねぇな」

「最近こっちに引っ越してきたのよ。いろいろあって。まぁ、怪盗キッドを捕まえる為にっていうのもあるわ」

「…そうか」


工藤くんの目の色が変わった

キッドが大好きなのね。


「で?なんで俺のこと知ってんだ?」

「そりゃあ高校生探偵で有名だからよ♪」

「………」

「あー!信じてないな?」

「信じてるって、探偵の名前さん」


口角のあがってない笑顔で、私に手を差し出した。

それに答えるように握手し、さっそく本題へ話を進める。


「私と、手を組まない?工藤新一君」



ーーーー


「……っていうわけだ。まあ俺が怪しいと思ったのはこの2人かな。じーちゃんはどう思う?」

「変装して、名探偵の元に近づけば良いのではないですか?」


電話の向こう側で聞こえるじーちゃんの発言。

何故思い浮かばなかった…?



「…俺はなんでそんな簡単な事思い浮かばなかったんだ…?」


笑い事じゃねぇな。
なんでこんな簡単な事…

名前の正体を証したいのか証したくないのかはっきりしない今の心情

IQがついてきていない

俺の思い通りいつもの学校の名前でいて欲しいという心情が邪魔をする。

だめだ……。
今はあいつに想いを寄せるべきではない

はっきりさせてから。
はっきりさせてからどうするか決めればいい


『快斗ぼっちゃま?』

「さんきゅーなじーちゃん!予告状出すぞ!……おびき寄せる為のな」







『では、次のニュースです。怪盗キッドからの予告状が、江古田美術館に届きました。予告状によると、狙われているのはブルークオーツで、日にちはーーー』



「あら、こんな予告状聞いてた?」

「さぁ…私の耳には入っておりませんでした」

「…怪しいわね。でも、行くわよ」

「行かれるのですか?罠かもしれないですよ?」

「そんな簡単に引っかからないわ。ふふ」




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