02-1
「では、次のニュースです。今朝、鈴木財閥に怪盗キッドから予告状が届いたと発表されました。狙っている宝石はーーー」
「朝から面白い情報ね、伊武」
「すみません…私の調査不足で…」
「いいのよ。そういうことじゃないわ。」
まだ湯気の立っているコーヒーに口をつけながら、横目でニュースを見た。
「直前になって、予告状を出す日にちを変えたのね」
「そのようで。…行かれるんですか?お嬢様も」
「…ふふっ。向こうも警戒しているようね。…でも、私は焦らすのが好きなのよ」
残ったコーヒーを一気に飲み干し、伊武と学校へ向かった。
ーーーー
「おはよー名前ちゃん♪」
「はよー名前ちゃん!!」
あいもかわらず無邪気な笑顔に、
私も鏡の如く笑顔で返した。
「おはよー青子ちゃん!黒羽君!」
「そうだ!名前ちゃん聞いてよ!!」
「どうしたの?」
「怪盗キッドが予告状だしたのよ!!お父さんには次こそは絶対捕まえて欲しい!!」
「今朝、ニュースでやってたね…ほんと、早く捕まって欲しい…って、お父さん警部なの?」
「そうだよ♪キッド専門のね!」
「そうだったんだ!早く捕まえて欲しいねー?」
2人で、ねー?なんて言っていると、横から視線を感じた。
それは青子ちゃんも同じのようで。
「ちょっとバ快斗ーなにまじまじと名前ちゃん見てるのよー!一目惚れ?」
「んなっ…?!ちげえよバーロー!!」
照れた顔を隠すように、反対へ背けた。
「快斗照れ屋なのよー」
なんて私に眉を下げて笑う青子ちゃんに、照れ屋じゃねえっつの!とまた黒羽君。
もうそろそろ授業が始まる時間。
そう思ったのか青子ちゃんは時計を確認して、そろそろ席戻るね、と席へ戻っていった。
青子ちゃんは委員会に入っている為、私達の席とは程遠い。
予鈴が私たちを座らせ、授業が始まった。
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