Loveマジックショー
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「ほんとに今日良かったの?」

「名前と来たかったから青子に断ったんだぜ?」




なんとなく両想いだなって感じる時、あるよね。


ほんとに付き合う直前の、互いに両想いだとわかっている時が1番青春していると思う。


でも、幼馴染みの私達は、そこから一向に進まない。

幼馴染みという名詞が邪魔をしている。


もしかしたら、快斗とは両想いじゃないのかもしれないと思い始めてきた。



そして今、快斗とショッピングモールに遊びに来ている。

服を買いに来たかっただけなんだけど。

今日は休日だから人が多くて滅入ってしまう。


そんな中、ある広場にたくさんの人が集まっていた。


「快斗、この人だかり何?見えない」

「おっ!!マジックショーやってるぜ?」


私より断然背が高い快斗には充分見えている様で。

快斗は私の手を引き前の方へこぎ着けた。


「うわぁ…!すごい!」


そこには有名なマジシャンの姿。

それに見とれていると、快斗がムッとして前に出た。


「ちょっ……快斗?!」


快斗がいきなり壇上に上がり、マジックをし始めたのだ。


最初はザワザワしていた広場も、快斗の容姿や華麗なマジックに見入っていく。

マジシャンも“素晴らしい”とお褒めの言葉


「あほ………」


なんて言いながらも、私も見入ってしまっている観客の中の1人。


快斗のマジック姿はとても華麗で、とてもかっこよく見えた。



“ラストショー”



その単語を使って、快斗は赤いバラをポンッと出した。


そして私に向かって差し出す快斗


「えっ………?」


周りは静寂の中に、黄色い声がポロポロ



快斗はウインクをして私を見つめ、


「名前ならこのバラの意味………わかるよな?」


そう呟いた


いつも少しの事で照れて、照れ隠しする快斗。


こんな大勢の真ん中で、自信に満ち溢れている顔をしている。




ということは






やっぱり、両想いだったんだね、快斗。






ーENDー


次の日、私達が新聞に大きく載っていた。


「恥ずかしい………」

「“乱入者、大勢の前で告白”だって。もっといい書き方なかったのかよ〜」


そんな新聞にケチをつける快斗


その写真は、私が“お願いします”と答えた、ほんの数秒の間に撮られた写真だった。



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