言葉しりとり
今日は快斗とトロピカルランドにデートのはずだった。
雨さえ降らなければ、楽しいデートのはずだったのに……
結局快斗の家で2人でゴロゴロ。
うーん…暇だ
「暇だなぁ」
「なんかするか?」
「何すんの?」
「うーん……何しよう……」
「思いつかないのに言わないでよー」
「わりわりっ」
「り……リンゴ」
「おっ?いきなりだな……ゴリラ……のバナナ」
「ゴリラのバナナってなに。ナ……ナ………なんかいいことないかなぁ」
「あるかなぁ〜今日トロピカルランド行けなかったからな…雨のせいで。“で”」
「で?ん〜……でえええっ!ほんとにね!!」
「えっ。でえええっ!って何?叫び?」
「悲しみの雄叫び。だって言葉しりとりでしょ?“で”から始まる雄叫びなんてこれしかないじゃん。早く、“ね”だよ」
「ん〜…ね…ね………ねぇ俺の何が好き?」
「キッドの姿をしてるところかな」
「なるほどなぁ。……それだけか?」
「快斗の時も好きだよ」
「良かった。俺も名前大好きだぜ?」
「絶対?キッドの時は心配ばかりかけさせるくせに…いつもいつも仕事に夢中になって私のことなんてこれっぽっちも考えてないように思えるけどほんとに私のこと好きなわけ?」
「おぉ…いきなりのマシンガントーク…け、け、け……けど、お前が好き。仕事があろうとなんだろうと、名前を一番に思ってる事は変わりねぇよ。だから心配すんな」
「なんかその笑顔を見てると、心配しかできないんだけど……」
「どうしようもねぇくらいかっこいい笑顔だろ?」
「……ろくでもない笑顔だね」
「えっ?!ろくでもない笑顔って全然嬉しくねぇんだけど!!」
「ロックンロールな笑顔だねにしようか迷ったんだけどさ……」
「ロックンロールな笑顔ってどんなんだよ!」
「はいはい。“ね”だよ!!」
「ね?ん〜……ねみぃ……だ」
「えっ。ねみぃだって何?!どこの田舎の人?!」
「だって“ねみぃ”だけだとぜってー“いいよ”って言うだろ?だめって言われる為に最後に“だ”をつけた」
「いいじゃん別に寝ても」
「よくねーよ。せっかく一緒にいんのにさ」
「さようでございますか。じゃあ言うな」
「……なぁ。」
「あ?」
「あ?ってなんだよこえーし」
「だって“あ”だったんだもん……“こえーし”?し…し…しょうがないじゃん」
「あ。終わっちまったじゃねーか」
「もうやめよ飽きた〜」
「……バーローっ……」
「なんで!?」
ーENDー
“なぁ。結婚しよう”
“うん!”
で終わらせようと思ってたのによ。
どっかの恋愛ドラマみたく。
まぁ、そううまくはいかねぇよな。
待ってろ名前。
いつかぜってー言うからな。
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