7月7日
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「ねぇ快斗、何書くの?」

「秘密ー!にしし」



ある大きな公園の七夕祭り

7月7日の七夕の日にだけ置かれる大きな笹。

今日は天気もいいし休日なので、人が密集している。

そんな夕暮れ時の午後6時

2人でカラフルな短冊を目の前に、願いを込めペンを走らせる。


「…っし!できた!」

「私も!!」

「名前はなんて書いたんだ?」


なんて覗きこみながら言う快斗
別に隠すことでもないので見せた。


「なになに…?“バケツ1杯のプリンを1日で食べたい”……これ願いじゃなくて目標だろ……」


こーいうオリンピックがあるならまだしも……とかブツブツ言いながらも笹にかけてくれた。


「別にいーじゃんか。で、快斗は何を書いたの?」

「俺は……ほれ!」


すぐ目の前に持ってこられたこの距離では近すぎて字がボヤける。

少し顔を離して読むとそこには…


“名前の傍にずっといれますように”


私より真面目に書いた快斗に少しゾッとするが、嬉しくないわけがない。

でも………


「快斗……無理だよ……」

「なんで?」

「だって……私達もう付き合ってるじゃんっ!」


語尾にハートをつけて言うと、快斗はへへっと笑って私の手を握った。


「そーなんだよな〜っ!じゃあ、結婚ってことにすっかなー!!へへ」

「もー快斗のばかっ!まだ早いよ〜」


ふふっと笑い、快斗の手を握り返した。


「だって待てねぇんだもんっ」


そう言う快斗の笑顔はおちゃらけているようで、どこか本音で言っている様な、そんな気がした。



ーENDー


「ねぇ恵子、あれ快斗と名前じゃない?」

「ほんとだ!…ってあの2人手握りあって何してんの……?」

「……大注目を浴びてるね。行くよ恵子」

「えっあっちょっ…!いいの?話しかけなくて」

「今だけは知り合いだと思われたくないのは青子だけ?」

「……行こうか青子」

青子の言葉にハッとする恵子であった。



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