2.でこぴん
「どうしてそんな危険なところへ行ったんですか?」
「だって探偵だもん!」
「今回は危ないから行くなと言ったでしょう!」
「でも探偵だもん。」
「探偵でも、名前さんを危険な目に合わせたくないんです。毎回行くなと言ってる訳じゃないんですから、たまには言う事を聞いてください!」
「……やだ……」
反抗しつつも、安室さんのお怒りは怖く、段々声が弱まっていく。
だって安室さんは、暴力的だから。
私にとっても酷い事をする。
「……しますよ?」
「やだっ…!!」
腕をぐいっと引かれ、怒りの含んだ瞳に無理やり合わせられる視線。
怖くて思わず腕をあげるが、その腕をぐいっと下に下げられた。
「覚悟して下さい」
「嫌だっ……!!ごめんなさい!!やだぁ!!」
パチンっ!!
盛大に響く弾いた音と共に、私の悲鳴が部屋中に広がった。
「ぼ、暴力だ……ひっく……公安の癖にっ……訴えてやる!!」
「はぁ。でこぴんごときで何が暴力ですか」
痛いおでこを手で押さえていると、頭をポンポン、と撫でられた。
その瞳に怒りは含まれておらず、優しい困った様な笑顔で私をぎゅっと抱きしめてくれた。やっと、説教が終わった。
「心配かけさせないでください。大切な人なんですから」
「うん。ごめんなさい」
ぎゅうっと、抱きしめ返した。
心配してくれてありがとう。
次の日、学校へ行くと園子におでこの中心赤いわよと爆笑された。
やっぱり暴力だ!!
酷いよ安室さん!!羞恥プレイの罪で訴えてやるぅうう!!
(名付けるとするのであれば、愛のでこぴんですね)
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