1.指切り
「……ってわけだ。俺がコナンになったことは、博士と灰原とおめーしか知らねーから、誰にも言うんじゃねーぞ?」
「新一……」
「コナンって呼べ」
上を羽織り、眼鏡をかけながらそう言った。屈辱だろうに。
きっと、早く元の姿に戻りたいはず。
「コナン君」
「ん?」
「早く元の姿に戻りたいよね」
「ん、まぁな」
「絶対私が元の姿に戻してみせる。だから指切り!しよ?」
「はぁ?いいよ指切りなんて」
私がだした小指をじっと見て苦い顔をした。でもだめ。指切りしなくちゃ私の気が済まない。私の、大好きな人だから。
「いでっ。指折れるっつーの」
「指切りげんまん絶対コナン君を元の体に戻すそう決めたじゃないと針千本のーむ。指切った♪」
「なげぇよ」
無理やり彼の小さな小指に私の小指を絡ませ、上下に振って指切りをした。
一旦は満足し、しゃがんでいた体を起こす。するとコナン君は私をじっと見るなり、ん。と言って小指を出してきた。
あれ、今指切りしたんだけどな。
「何さ嫌がってたくせに」
「いーから小指だせ」
「ん」
何を考えているのかよくわからないコナン君の小指にまた小指を絡めた。
「…………」
「…………」
ん?何も言わない。
ただ絡んだ小指を上下に振って終わった。
「え、なんの約束かわかんないんだけど言ってくんないと」
「別に言葉に出さなきゃいけねーわけじゃねーだろ?」
「何それぇ!!え!教えてよ!」
「やだねー」
「気になるじゃんかぁああっ!!」
(元の姿に戻ったら、#名前に#絶対告白。指切った)
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