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「げ」



おいおいおいまじかよ…っ
なんで来たんだ…っ?!



「名前お姉ちゃん?!」



名探偵の後ろには、息を切らした名前が立っていた。


しかもいつの間にか名探偵とも知り合いの様で。



「コナン君!!こいつ、私が捕まえる」

「えっ……名前お姉ちゃん…?」

「それは光栄ですねぇ。こんな可愛らしい女性に追われるとは」





なんて言ったけど………


随分怒ってらっしゃる様で………


こえぇ………。



キッと睨んでくる名前は、普段の名前より1段と怖い。


心の中で苦笑いしていると、足が取られるほどのいきなりの強風に反射的に腕を上げた。




「きゃああっ……!!」




その悲鳴の主を探すと、あの少年探偵団の女の子が足を取られ屋上から落ちそうになっていた。


助けに行かないとやばい…っ


そう足を出した時には、名前はもうその女の子目掛け走っていた。


「あゆみちゃんっ!!」



そう叫んだ名前が女の子の腕を引っ張ると同時に、変わりに落ちて行く姿がスローモーションの様に写る。



「……っ…!!!」



“名前”と叫びそうな心情を必死に抑えて俺も飛び降りた。




「快斗っ…!!」



引力に遊ばれ必死に手を伸ばす名前は、俺の名前を呼んだ。



俺も必死に手を伸ばすが、指先が当たるばかり。


何度も何度も繰り返し、ようやく腕を掴んだ。




腕を一気に引き上げ、地面ギリギリで横抱きしてハングライダーを開いた。



このまま腕を掴めなかったらどうなっていたか。


こいつは何を考えてるんだと苛立ちを覚えた。


「バーロー!俺がいなかったらどうす………っ」



はぁ。
俺が怒ってるって言うのに……



俺の首に腕を回し、ギュッと抱きついてきて“へへ”と笑う名前。



反則だ。怒れるわけがない。



さっきまで死ぬかもしれなかった状況なのに、そんな素振りをいっさい見せない



腕を離し、俺の顔を見る名前は照れたようにニコリと笑う。



俺が助けたから、安心してくれたんだと自惚れるしかないだろ。


そんな顔されちゃあさ………




「ありがとね、快斗」

「ばーろ…気をつけろよ……」



ほんと。名前によえーな、俺。



気づいたよ。
俺の考えは、名前を不安にさせるだけだと。


俺の身勝手な思考に名前が傷つき

名前の身勝手な行動に俺が傷つく



こんな事になるなら、待っててもらわなくていい。
いや、俺が待てねぇんだ。


名前はもう、とっくに答えを見つけ出してくれたじゃねぇか。



血迷う必要は無い
あとは俺の想いを伝えるのみーーー。




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