05
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トイレのちいせぇ窓に雨が当たる音で思い出してた。

初めて相合傘をした日の事。
俺が告白した日。
あの日以来、何度目かの雨。




「ふぅ。出た出た」


玄関に行くと、あの日と同じちいせぇ背中が見えた。


んぁ?名前空眺めてやがる
あいつも思い出してんのかな?
あの日の事。



「名前ー!一緒に帰ろうぜ!」

「快斗!帰ろっ!」

「どしたぁ?空でも見て。今日は雨だなぁ。ってか?」

「初めて相合傘した日の事思い出してた。快斗は覚えてる?」


……やっぱりな。
忘れるわけねーだろ、バーロー。


「あたりめーだろ?俺がおめーに告白した日でもあんだからよ」



キッドの仕事を終えたあと、勇気を出した結果がここにある。
愛くるしい名前といれるのが、すげー幸せだ。


「わぁっ!玄関で抱きつかないでよ……学校だから恥ずかしい……」

「いいだろ?付き合ってんだし。名前が好き過ぎてたまんねぇーのっ」



その困った様な可愛い笑顔も、もう俺のもんだもんな?
もう。かっこいい快斗。私も大好き!
って思ってくれてんのかなー?にしし



っとそーいえば……


「なぁ、傘持ってきたか?」

「持ってきたよー!初めて相合傘した日だけだよねー快斗が傘持ってきたの!」


……あれは……
計画的に行動したからであって……

普段は持ちません!!


でも、青子の電話と計画のおかげでこうして2人で寄り添っていられる。

これも一種の偶然だよな。

雨がこんなに好きになったのは、きっとあの日から。

いつもよりグッと寄り添える距離にいる名前に、キスを落としたーーー。


ーENDー


「なぁ。今日キッドの予告状出てんだけどさ、見に行かね?」

「いいけど……好きだね、キッド」

「今日……伝える事があるからさ」

「……わかった」


今日こそ、キッドの正体は俺だと伝える
今のこいつなら、きっと怪盗キッドも愛してくれる。

そう思ったんだ。



「ねぇ、私…なんかキッドも好きかも。なんか、なんとなくね。」


ははっ
ほらな?

浮気じゃないよっ?!なんて焦ってるおめーも可愛い。俺、幸せもんだな。




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