02
「……なぁ」
「っはい?!」
「右肩濡れてんじゃん。もっとこっち寄れよ」
「わっ」
グイッて……!
グイッて引き寄せられちゃったよ…!
恥ずかしいよこのシチュエーション!
「ああああのさ…っ!今日なんで学校休んだのっ?」
「宝石博物館行ってた!1人で!」
え?1人で博物館?
学校サボってまで?意外……
ってか抜けてんのかな?
「宝石とかに興味あるの?」
「あるぜ?意外だった?にしし」
無邪気に笑った彼の目は、綺麗な蒼い色をしていた。
その目が宝石の様だよ……!
なんてキザな事言えるはずもなく。
「あ。今日その博物館に怪盗キッド来るみたいだね」
「あぁ。らしーな!一緒に見に行かね?」
えぇ!全然興味ない!!
怪盗キッドこれっぽっちも興味ない!!
「あーうーん………」
「キッド見終わったら……名前にさ……あの……」
「うん?」
「……」
あらっ。下向いちゃったよ!!
気になるじゃん!
……実は俺が怪盗キッドなんだ。とか?
なんてね。ありえない。はは。
気になるから行こうかな。
「行くっ!!」
「え?いいのか?」
「そっちから誘ってきたんでしょ。ふふ」
「っし!じゃあ決定だな!あー緊張してきた……!」
「え?なんで?」
「あ、いや………」
「ふふっ。快斗君わけわかんなーいっ!」
ーーーー
「名前ー!一緒に帰ろうぜ!」
「快斗!帰ろっ!」
「どしたぁ?空でも見て。今日は雨だなぁ。ってか?」
「初めて相合傘した日の事思い出してた。快斗は覚えてる?」
懐かしいなぁ。
私にとって、大切な日。
「あたりめーだろ?俺がおめーに告白した日でもあんだからよ」
「わぁっ!玄関で抱きつかないでよ……学校だから恥ずかしい……」
「いいだろ?付き合ってんだし。名前が好き過ぎてたまんねぇーのっ」
ほんと、バ快斗……
でも、私も大好き。
「なぁ、傘持ってきたか?」
「持ってきたよー!初めて相合傘した日だけだよねー快斗が傘持ってきたの!」
初めて相合傘をした日以来、快斗が傘を持って来た事は1度も無い。
あの偶然がなかったら、今私達はこうやって寄り添って歩いてはいなかっただろうな。
まさか、こんなにも快斗が好きになるなんてね、へへ。
ーENDー
「なぁ。今日キッドの予告状出てんだけどさ、見に行かね?」
「いいけど……好きだね、キッド」
「今日……伝える事があるからさ」
「……わかった」
俺、やっぱり名前よりキッドが好きだ。とか言われたらどうしよ………。
……ないか!!はは
「ねぇ、私ーーー。」
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