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ーーーー


「おはよう名前」

「おはよ、青子」

「名前大丈夫?」

「おはよ、恵子。今は大丈夫じゃないかな……」

「……そうだよね、ごめん」

「よっ!おっはよー名前!!」



今は聞きたくない、耳が腐るほど聞いてきたセリフと声。

いつもと変わらないね。
浮気してるくせに。



「「「………」」」

「んだよ3人して俺を無視かー?ひどくねー?名前ちゃんまでー!」




口を尖らせた快斗が、私の背中に抱きついてきた。私の事をまだ好きなのかな?

なんて期待してしまうから、やめて。



「快斗離して」

「えーっ?!冷てーっ!!今日はいつも以上に冷てー!どーしちまったんだよ?」

「別に。早く席につきなよ、チャイムなるよ」

「え。……おう……?」



ようやく離れてくれた。
近藤さんにやってあげればいいじゃん。






「でさ、昨日のテレビ面白すぎて寝れなくてさー、もーまじやばかった!!」

「へぇ」




「そんなにノート持って…職員室行くのか?俺も持ってやるよ!」

「いい。1人でいける」




「やっと昼休みー!腹減った!名前、今日も屋上で一緒に食お?」

「私青子と恵子と教室で食べる」




「名前!帰ろうぜ!」

「今日は1人で帰る」





今日一日、必要最低限の会話しかしなかった。快斗もさすがに気付いているはず



「名前、ちゃんと話し合いなよ?」

「うん、わかってるよ。とりあえず今日は疲れたから、明日にしようかな」

「……そっか。1人で帰るの?」

「うん、じゃあね青子」

「…ばいばい」



青子に手を振って、静かな帰路を辿った

昨日の今頃は快斗と話しながら帰ってたのに……


なんて静かなんだろう。





「おい名前!!」


……やば。
今は話したくない……
どうしよう


「なぁ名前って!!」


隣に来た快斗が顔を覗かせてきた。


「……なに」

「なんか今日冷たくね?」


まだわからないフリするの?
自身が浮気してるのに、わからないはずないじゃない。



「なんでかわからないの?」

「……あぁ。なんとなく、わかる…かな」

「……っ!」



隠そうともしないんだね。
なんでこんな最低なやつと付き合っちゃったんだろう。
最悪だ。もう……嫌だ……辛い



「なぁ名前」

「もう話たくない。最低」

「俺の事、好きか?」


……は?
こいつ何言ってんの?
今この状況でばかじゃない?
ほんと、頭おかしい。


「……好きだよ!!大好きに決まってるじゃん!!大好きだからこんなにもショックなの!!わからない?!わからないでしょうねあんたみたいな軽い男には!!ほんっと最低有り得ないそんなことするなら最初から言ってくれればこっちから振ったわよ!」


息継ぎもせず、こんなに怒鳴り通したのは初めてだ。苦しい。

息が苦しいのもあるが、何より心が。



「悪かった。今からおめーん家行っていいか?話そう」



話すも何も認めた癖に。
でも浮気した経緯とか聞きたいし
何より快斗が今どんな気持ちなのか聞きたい。


こんなやつを家に上げたくないけど…
そこらへんのカフェで話す内容じゃないし……。



「……わかった」



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