02
bookmark






そしてそのまま猫をお持ち帰りした快斗は、仕事に行って夜に帰宅。

そしてその後、窓を開けっ放しにしてしまったことに気付き、仔猫が逃げちゃったと快斗から電話が来た。


快斗の家に行って周辺を2人で必死に探したが見つからず、快斗の無責任さに腹が立って今に至る。


何日も前から飼っていたら、きっと心配と腹立たしさで快斗の顔をへこませていたと思う。



「なぁ名前ごめんって……」

「謝ってる暇あんなら探してこい」

「ま、まぁまぁ。話聞く限り快斗もわざとやったわけじゃないんだし……今日は豪風雨らしいから、探すのは外が落ち着いたらにしよ?青子も探すから!」

「きっとあの猫も今頃雨宿りしてるぜ?」



窓を見ると、酷い豪風雨

こんな中にいるなんてかわいそすぎる。

でも、とても探し回れる様な状況じゃないのは確か。


「快斗、今日は先帰って。私は少し探しながら帰るよ」

「あぶねぇって……!風邪引くぜ?」

「心配なの!!」

「……わかった」

「じゃ、じゃあ青子先帰るね?青子も探しながら帰ってみるから、元気出して名前!」

「ありがとう!!」







……とは言ったものの見つからず。
びしょ濡れで帰ってきた。



「青子からも快斗からも連絡なしか」



どこ行ったんだろ。
心配だな、猫ちゃん。




「ふぅ……」


ため息ついたって何も変わらないのに。
きっと雨宿りしてるよね。



そう自分に言い聞かせ椅子に項垂れると、部屋がチカチカと光った直後大きな鈍い音が鳴った


「っ!!雷か……。完全に気を抜いた時に来るな!!」


なんて呟きも結局自分の耳にしか入っていないわけで。
虚しさと、悲しさと、寂しさが自身を襲った。


せめて快斗と喧嘩していなければ、寂しさは紛れていたのかもしれない。


「快斗〜……」


恋しくて。寂しくて。会いたい。



「うっへ〜びっしょびしょ!!」

「っ?!?!」



今玄関から間抜けな声が………

この声は……


「快斗?!」

「名前ーっ!」


ヘラっと笑って私の名前を呼んだ快斗は制服にスクールバッグを持ったままだった


「快斗先に帰ったんじゃなかったの?!ってか傘ささなかったの?!」

「え?さしてたけど?」

「どうしてさしてたのにそんなびしょ濡れなのさ」

「なんでだろーな。俺が知りてーよ。」

「いや逆にどうやったら傘さしながらそんなびしょ濡れになれるか知りたいよ」




ていうかピッキングで入ってくるなといつも言っているだろう。


……でもまぁ。

会いたいって思ってた時に来てくれたし、今回は見逃そうかな。




prev|next

[Short画面へ戻る]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -