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「彼氏がさ、困ってる時にヒーローの様に現れたらかっこよくない?!」

「……はい?」

「んだよ青子いきなり。おめー彼氏いねーだろ。まずそっからだ」

「うるさいバ快斗!!」



いきなり何を言い出すのかと思ったよ。


まぁ、確かに彼氏である快斗が、怪盗ではなくヒーローだったら、この上ないくらいに嬉しい。

でもね………



「助けた子を逃がす奴は到底ヒーローにはなれないね。むしろその逆だし」

「おい名前……っ!」

「……なによ本当のことでしょ?」

「うっ………」

「なぁんか2人とも朝からずっと喧嘩してるねー!まだ仲直りしてないの?」

「「してない」」




事の発端は昨日の学校の帰り道だったーーー。



「今日は予告状だしてるの?」

「おう」

「気を付けてね」

「なになにー?名前ちゃん心配してくれてるのー?さすが俺の大好きな「しーっ!!なんか音聞こえない?」

「えっ?そうかぁ?俺には「しーだってば!!ほら!なんか鳴き声みたいな…」

「……あぁ。これは「だから静かにしてって!」

「………。」


ムッとした快斗がいきなり近くの公園に入ったと思えば、小さく丸っこい物を片手に戻ってきた。


なんか毛むくじゃら……!!




「えっ?!なになに?!なんか毛生えてる!!毛虫?!嫌だ持ってこないで!」

「バーロー毛虫にしちゃでけぇし、毛虫は鳴かねぇだろ」



ほら、と手を広げたそれを見ると、か細い擦れた声で鳴いた仔猫だった。


「仔猫……!!可愛い〜っ!!」

「捨て猫だな」


可愛い……!!
可愛すぎる!
飼う!


「おめーんち猫飼えねぇだろ」

「え、なんでわかった?!エスパーか!」

「猫好きなら何考えてるかぐれーわかる」



そうです。猫大好きです。
ペット禁止のしがないアパートに住んでます。


「ってことで快斗くん!」

「へいへい。俺ん家で飼えってんだろ?」

「わーい!エスパーな快斗大好き!!」

「……なんでだろう。全然嬉しくねぇ」




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