05
「もういいでしょー?」
「よくねぇ。じゃあさ、俺らのクラス?」
それくらい言ってもいいか。と首を縦に振ると、黒羽君はニヤリと不敵に笑った。
「じゃあさ……俺?」
どくんと心臓が脈打つ
まさかしょっぱなから自分を挙げると思わなかった。
ここは冷静に。冷静に。
「……悪いけど、違う」
「………」
ごめん、本当は黒羽君だよ。
どうかバレないで欲しい。
振られるのが、怖いの。
そう思う半分、気づいてと心の隅で叫ぶ私がいた。
私が好きなのは、黒羽君。
あなたなんだよーーー。
“悪いけど、違う。”
そう言われた。
でもショックなんて何一つない。
むしろ嬉しくて。
むしろその言葉で確信を得た。
おめーが好きなのは俺だ。
そうだろ?名前。
「名前」
「……ん?」
「もう1回聞く」
「え」
「好きな人、俺?」
「ちっ……違うってば……」
ははっ。やっぱりな。
「じゃあ、抵抗しろよ?」
「えっ……?ちょっ……!わっ……!」
慌てる名前をその場に押し倒し、上から多い被さった。
嫌なら、抵抗しろよ。
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