02
どうしよう。
一体どうしてこうなってしまったのか。
なぜ、猫の耳と尻尾が生えているのだろうか。
しかも、よくあるスラリとした長い尻尾ではなく、フサフサの尻尾に、綺麗に流れ落ちる毛が生えた耳。
例えるなら、メインクーンの様。
しかも耳は左が黒で右が白。
尻尾は真っ白。
動くそれらは、やはり偽物なんかじゃない。
「どうしようどうしよう……!黒羽君に見られたらやばい……!」
なぜ、よりも、見られたらやばいと言う心情が先に出る。
ましてや好きな人にこんな姿を見せられない。
帽子を被ってみるが耳が折られて痛いし、尻尾をズボンの中にしまい込むがお尻の一部がもこっとしていてこれはこれで怪しいし、スカートを履いてみるも尻尾の先が出てきてしまう。
もう、隠れるしかない。
せっかく黒羽君に会えるチャンスなのに、居留守を使うしかない。
あたふたしてるうちに、インターホンが鳴った。
これはやばいぞ……!
来てしまった!
玄関カメラを覗けば、走って来てくれたのであろう肩を上下に揺らし、怖い顔の黒羽君がいた。
ごめん、出れない……!!
動けば物音でわかってしまいそうな状況に、爆発しそうな心臓に手を当てて沈黙を貫いていると鍵穴がカチャカチャと聞こえた。
嘘でしょ?
入って来ないよね?!
大丈夫だよね?!
まさか黒羽君がピッキングするとは思えないが、入って来れない様にゆっくりとチェーンに手を伸ばした。
……が。
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