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「「!!!」」

「銃声……!中からだ!」

「……んにゃろ〜………」

「え?」

「いえ、なんでも。急ぎましょう」



新ちゃんが危ない……!!
誰も撃たれてなきゃいいけど……!!


走って会場の中へ入ると、新ちゃんと服部君に犯人から銃が向けられていた。


先ほどの銃声は、脅しの為に天井へ撃たれていた様子。


私達は犯人の後ろから入った為、犯人は気づいていない。その変わり、新ちゃんと服部君が一瞬目を丸くして見てきた。


でもきっと私達に銃が向かない様に、黙ってくれているんだ。


「名前嬢……私の後ろへ」

「え?う、うん……」


小さな声で囁かれ、腕で後ろに促された


きっと犯人は、犯行がバレて腹いせでこんな事をしたんだ。


新ちゃんや服部君は大丈夫だろうか。
他の人達も黙ってこの状況を見るばかり


犯人は相変わらず新ちゃん達に銃を向け、ただひたすらに恨みを語っている。


「どんなに恨みがあっても、人を殺す以上の失態はないんですよ」

「誰だ?!……怪盗キッド……?」



キッド!!
折角新ちゃんが私達を隠してくれていたのに……!


やはり犯人は私たちの方へ銃を向けた。

キッド、やってくれたな。

冷静になろうとするが体は正直で。
カタカタと震えキッドの背中をギュッと掴んだ。


「なっ……!!」


ビュンッと空気を切る音と犯人の焦る声。

恐る恐る犯人の方に顔を向けると、銃口にトランプが刺さっていた。


なんて強力なトランプなんだ!
あんな凶器で遊べない!!

なんて、場に似つかわしくないが少し面白くなってしまった。





「名前嬢っ」

「え?ぶっ……!!」



名前を呼ばれたと思うやいなや、いきなり振り向かれ、ギュッと抱かれ顔をキッドの胸に押し付けられた。


「え?えぇ?」



キッドの腕の動きが多いが、何にしろ真っ白な服で視界が真っ暗。

何しているのか皆目検討もつかない。


ポンッと音がして、気になり胸から無理やり顔を引っぺがそうとするも、まだです。と言われ大人しくする。


なんなんだこの状況は。

なんか私恥を晒していないかい?



「もういいですよ」

「あ、うん……」



やっとキッドの腕が緩まり、奥を覗くとなんとまぁ!


犯人が倒れており、新ちゃんがこちらに麻酔銃を向けているではありませんか!

え、しかも周りのみんなは寝てるし、キッドと新ちゃんと服部君はガスマスクつけてるし!



「ぃいいい一体どうしてこうなった?!」




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