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「ん」


新ちゃんから着信だ


「どしたの新ちゃん」

『キッドを追ってた帰りなんだけどよ、家ちけぇから今日ぐらい泊まろうと思って。鍵開けといてくれ。』

「キッドを“逃がした”帰りでしょ?」

『るせーよ。鍵開けとけよ?じゃあな』



相変わらず冷たいなぁ、新ちゃん。

ってやば。
一人暮らしをいい事に自由にしすぎた。
片付けないと怒られる。


急いで片付けしていると、結構早く玄関のドアが開く音がした。


「おかえり新ちゃん」

「鍵開けとけっつったろ」

「めんどくさかったんだもん」


まぁ、片付けてたから忘れてただけなんだけどね、ほんとは。


「コーヒー」

「はいはい」


人遣いが荒いんだよ君は。
帰ってくんな。


「あっ。今おめー帰ってくんなって思ったろ?」

「それはまぁご丁寧に私の心を読んで頂いてどーも」

「おい……」



ソファにちょこんと座った新ちゃんは足が届いていなくて可愛い。


「はいどーぞ」

「さんきゅ」

「……新ちゃんもっと背縮んだ?」

「………」

「いひゃいいひゃい!ごへんらはい!」



昔からよく片方の頬をつねるその癖、やめて欲しい。私の頬がいくつあってもたりない。

でもやっぱり小さくなった新ちゃんは可愛くて。


「……新ちゃん、おいで」

「は?」


ニコリと笑い自分の足をポンポンすると、視線を前に戻してしまった。ひどい。


「やだよ。なんで妹の膝の上に乗らなきゃなんねーの」

「ミニマムだから」

「ミニマムじゃねぇ」

「リトルだから?」

「リトルじゃねぇ」

「えー?んじゃスモー「だぁーっ!!わーかったっつの!」

「いたっ」


これでいんだろっ?!とドカリと座った新ちゃんの顔は真っ赤。可愛い。ふふ

でも太もも痛いよそんな風に座られちゃあさ。



「もっと優しくなれないかねー」

「るせぇ」

「正面向いてくんないの?」

「くんない」

「くれる」

「……はい、これでどお」


だるそうに正面を向いてくれた新ちゃんも……


「可愛いっ!!」

「わっ!!くるし……死ぬ……っ」



私はロリコンなのかもしれない。

いや、好きなのはキッドだ。
それはない。

兄弟愛だ。




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