01
「……なーぜこうなった?」
んー、妙に落ち着いている私。
こういう時は興奮した方がいいのかもしれない。
なぜかって?
そりゃあ、寝て起きたら知らない街にトリップしてしまっていたからさ。
景色を見る限り、ここは名探偵コナンの世界。もちろん、私の大好きなキッドだっているはず。
そんな異世界にトリップしたなんて有り得ない。
でも、地にしっかり足がついてるし。
真実は、いつも1つなのだよ。
「……とりあえず、もう1回家に入ろう」
現在昼の12時。
目が覚めて知らないベッドに寝ていた私は知らない男の家に連れて来られたのかと思い慌てて外へ出たがどうやら違うらしい
家の中に入ると、江古田の制服が綺麗に洋服ラックにかかっていた。
きっとあれでしょ?
明日から学校行けとかいうやつでしょ?
トリップってそんな感じだよね。
今日は転校生が来てるぞー。入れー。
って感じだよね。ふふ。
今日はゆっくり街を散策しよう。
ーーーー
「今日は転校生が来てるぞー。入れー」
うわー……まんまじゃん。
ドアを開けると一層ざわつく教室に、目を向けられない。
転校なんて初めてだから凄い緊張する。
「名字名前です……よろしくお願いします……」
パラパラと拍手が零れ、先生に黒羽の席の隣なと席を指さされた。
結構お決まりなパターンだけどドキドキしていたのも束の間、いねーじゃん。
黒羽快斗いねーじゃん。
「私は中森青子、よろしくね、名前ちゃん!」
代わりに、私の前の席の青子ちゃんが挨拶をしてくれた。
よろしくねと返すと、今日はいないけど、隣は黒羽快斗だよ。サボり気味のばかなやつだけど。と教えてくれた。
うん、実は知ってる。
その後は昼休みの質問攻め以外青子ちゃんが話し相手になってくれる事が多く、互いにちゃん付けはやめようと話すまで仲良くなった。
放課後も質問攻めにあい、疲れているところで青子がみんなを静止してくれて今に至る。
「つ、疲れた〜っ……。ありがとう青子」
「転校生は大変だねー!私今日用事あるから、帰るね!ごめん、また明日!」
「うん、今日は色々ありがとう!」
“いーえー!”と手を振って帰る青子はなんだか頼もしい。
私はと言うと疲れ過ぎて机と一体化している。これじゃあとても青子みたく頼もしくはなれない。
疲れたなー、なんて言いながら目を閉じると、もう誰もいない教室が心地よく、眠気に身を任せたーーー。
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