04
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「寺井さーん!できましたよー!ってあれ?溶けてる!そんなお腹空きましたか?!名前特製オムライス持ってきたので元気だして下さい!!」

「普通のオムライスだろーが。じーちゃん、大丈夫か?」

「はい……寺井は大丈夫です……」

「???」


頭をはてなで埋め尽くされてるこいつを見てため息が出る。
やっぱこいつ連れて来なきゃ良かったか……?じーちゃん寿命縮まってねーだろうな……大丈夫かな。





「お、うめぇ」

「やったー!」


名前とじーちゃんのオムライスにも、名前だけが書かれていた。
しかもどっちもハート付き。
女子ってなんで何でもかんでもハートつけんのかな?青子もそうだったよな。

俺のには書く場所がなかったのだろうハートはついていなかった。
なんでついてねーんだよと少し思った自分が恥ずかしい。

別につけて欲しいなんて思ってねーし。

後は作り方が問題ですねと言ったじーちゃんも味には納得してるのだろう。
確かにうまい。

ドジじゃなきゃ良い嫁に……って何考えてんだ俺!!あほか!?
有り得ねぇさっきから!!
じーちゃんに肩揺さぶられてほんとに頭おかしくなっちまったかも……。


「黒羽君がポーカーフェイスじゃない!!いただきぃっ!!」

「え?」


我に返って間抜けな声を出しちまった瞬間、カシャリと機械音。

一瞬の光。
向けられた携帯。
これは……


「ってめっ!」

「トイレっ!」


俺が立ち上がった瞬間、あいつも逃げるように立ち上がりトイレに走った。

くそっ、逃がした……。
絶対写真撮ったなあいつ。
訴えるぞこのヤロー。



「仲がいいですねぇ」

「良かねーよ!」


トイレからきゃー!とかかっこいい!とか奇声が聞こえる。


「〜〜〜〜っ………」


こっちが恥ずかしいからやめろよほんと


「モテますねぇ」

「ニヤけんな。じーちゃんまでやめろよ」

「ゴホンっ。すみません……」


むかつくから、まだ食いかけの名前のオムライスも全部食ってやった。
食いかけは行儀わりーし、うめーし。

案の定、トイレからやっと出てきた名前はまた別の奇声を発した。



ーEND?ー


「青子ーっ!!見て見て私の待受!」

「なになに〜?」

「っ!!見んな青子!!」


と快斗が言った時にはもう遅かった。
青子は待受を見たあとニヤニヤしながら快斗を見て一言。


「変態」

「だぁーっ!ちっげぇって!!」


青子が快斗をいじっている間、真っ赤な顔して口元に手の甲を当てている快斗の待受を名前はこれでもかと見つめた。


「ねー青子!一緒に待受にしよ!」

「えーいらないよそんなのー」

「そんなのってなんだよおい。」


名前は快斗を好きなのかただのファンなのか、少し残念な気持ちで頭を悩ませる快斗であった。


「頼むから待ち受けにだけはすんな!」




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