02
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「寺井さーん!!」
「おや、名前さん。こんばんは。」
「じーちゃんわりぃな、こいつに夜飯食わしてやってもいいか?」
「えぇもちろん」
「うわーい!ありがとう寺井さん!」
実は寺井さんにも、私が異世界から来たことを黒羽君が話したらしい。
ぼっちゃまが信じるなら、と、信じてくれたんだ。
さすがキッドの助手!!
いいなーなりなたいなー。
ブルーパロットでお手伝いもしたいけど、キッドの助手にもなりたい。
全面的にキッドの援護に回りたいわけですよ。それが私のしつこいお願い。
「ぼっちゃまは何を食べたいですか?」
「んーオムライスかなー」
よしきた得意料理!!
ここは私が!!
「え!!私オムライス得意だよ!!ねぇ私作りたい!!作らせてよ!」
「「だめです」」
え……。
2人ともひどくない?
「いいじゃんいいじゃんオムライスー!」
「おめー作ったら危ねーもん」
「名前さんは疲れているでしょうから、寺井が作りますよ……?」
「私が疲れているように見えますか!!オッムラァイスッ!オッムラァイス!」
「……どう考えても見えないので困りますね……」
「……はぁ……」
私が手拍子に合わせてオムライスコールをしていると、黒羽君が頭に手を乗せて、優しい笑顔で私を見てくれた。
これは……!
OKというサイン?!
「作ってくれ、名前」
「わーい!!」
「そのかわり……」
あれ、なんか手に力がこもってきてるような……いてっ……いててててて
「ぃいい痛い痛い!!」
「10秒で作って来い…わかったなっ…?」
なんかぎりぎりしてるよ痛い黒羽君!
頭が縦に伸びちゃうよ!!
しかも10秒って……!
卵溶いたら終わっちゃう……いたたっ!
「も、もう少し時間を下さいいいい」
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