05
「黒羽君、顔真っ赤……」
「おめーもだろ……」
夕日が差して、2人で微笑んで。
今は俺達に主役を与えてくれている。
ここでキスをしなければ、俺は一生後悔する。そう思った。
「名前」
「黒羽……君……?」
ゆっくりと顔を近づけて。
心地よく心臓を鳴らせて目を閉じた。
「ぼっちゃまー?片付け終わりましたよ。挨拶が遅くなりました。おかえりなさいませ……って、どうしたんですか?2人で顔真っ赤にして床に正座して」
「「顔が赤いのは夕日のせい!!」」
「……はぁ……そうでしたか……」
たっ……タイミングわりぃいいい!
じーちゃん!!
今だけはもっと遅く出てきても良かった!!
間一髪で見られなかったけど!!
けど!!
で き な かっ た!
あーもう。
「今回の事一生後悔するわぁああ」
「えっ?!失礼!!ひどいー!」
名前はマイナスの方に捉えてるみたいで、俺の本当の心理には気づいていない
ま、これはこれで後で取っておくからいっか。あとはこいつが俺を本当に好きなのか、ただのファンなのか。
そこがネックだな。
「あー先が長そう」
「なかなかセキュリティに入れませんからねぇ……どう致しましょう」
まぁそれじゃねーんだけどな。
名前はご飯を温めに行くとキッチンに逃げた。
顔を真っ赤にしちゃってかーわい!
「どうしたんですかそんなニタニタして……」
「なんでもねー!ただ、いい事に気づいただけだ」
「……?」
ーEND?ー
(最近のぼっちゃまどこか幸せそうで……寺井も嬉しく思います)
(く、くくく黒羽君とキスしそうになったよね?!なったよねぇえええ?!)
(俺が名前を好きになるとは……虫がつかねーようにもっと傍にいなきゃな)
「「「幸せです」」」
「「え?」」
「あっためすぎた熱い!食べれない!」
↑1人キッチンにいたから言葉が被った事に気づいていない。
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