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「あ!おかえり黒羽君!!」

「なんだ今日は見に来てねぇと思ったらここにいたのか」

「見に来て欲しかったー?」

「別に思ってねーよ!」


今日も華麗に仕事をこなして、今日は名前来なかったなーなんて思いながらブルーパロットへ来たらキッチンから出てきた

こいつまた何かとやらかしたな?
じーちゃんの表情を見たらわかる。


「ココア飲む?」

「飲むけどそっと運べよ!そっと!」



わかってるよーとか言いながらヘラヘラ冷蔵庫開けてるけど大丈夫か?!
俺見なくていいからコップを見て注げコップを見て!!


「そしたら寺井さんがさっきね、」

「名前!!入れすぎ!!」

「え?ぎゃああああっ!」


あーほらやった。
溢れて辺りはびしゃびしゃだ。
ほんとめんどくせーやつ。

ったく拭くのもめんどくせーしなんなんだこいつは。

とか思いながらこのままにしておくわけにもいかず名前とテーブルを拭く。


「あ!!何これーっ!!」


え?
と前を向いた瞬間視界が真っ暗になった


「ぃでっ!!」

「……っ……いった〜……」


こいついきなり頭突きしてきやがった!
俺に恨みでもあんのか?!


「なんなんだ…っ!よ……」

「!!」


怒鳴ろうと目線を上げると、名前の大きい瞳が視界に入った。

ち、ちけぇ!!
近すぎる!

名前が顔を赤くするから、俺も顔に熱が集まる。

んな顔すんなよ……っ!


「ご、ごめん……黒羽君……」

「…!!」


いつもの名前ならおちゃらける癖に、こういう時だけ恥ずかしそうに目をそらす

くそっ、可愛いっ!


「おめーはテーブルを拭いてやってる俺に喧嘩売ってんのか?」

「ちっ違う違う!」

「恩を仇で返すとはまさにこの事だな?いい度胸だ」

「ひぇえええっ!ごめんなさいい!」

「はぁ。んで、何?何が気になったの」

「黒羽君の胸ポケットに入ってるお菓子が気になって……」



菓子?
菓子なんて入れてねぇはずだけど。
…あぁ。これか。




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