03
「冷たかったのはその事考えてくれてたせい?」
「…それはちげぇよ」
「え?」
何故俯く?
意外な反応だ。
「……おめーが名探偵と楽しそうにしてっから……」
えっ……
もしかして、少し嫉妬してくれてた…?
「嫉妬してくれてたの?」
「んな簡単に口に出すな!」
「あ、そうなんだ」
「うっ……」
黒羽君顔真っ赤だ。
嬉しいな。
「コナン君、黒羽君の事疑ってたからなるべく意識させないように話かけてただけだよ。黒羽君の正体バレちゃったらやばいなーって思って!大好きな黒羽君の為だもん!!」
にししーって笑ってやると、プイっと顔を逸らしてしまった。
もう、最近の黒羽君はわからないけどそんなところもかっこいい!
「黒羽君こっち向いてよー」
「るせーっ!明日鈴木財閥に下見行くぞ」
「えっ!さっそく園子ちゃんのとこ?!」
「文句言うな!」
「は、はい!」
「……あーくそ、俺かっこわりー……」
「え?なんで?黒羽君はかっこいいよ」
「るせードジ。鈍感。」
……わからない!!
最近の黒羽君はわからない!!
赤ちゃんの心を読み取れってくらい難しい!
「黒羽君」
「あ?」
振り向いた黒羽君の頭を優しく撫でてみた。
「……なに」
「えっと……よしよし?」
どうすれば黒羽君の機嫌が直るかわからず、結局赤ちゃん扱いしてしまった。
あれ、これもっと怒らせちゃう?
と思ったが予想が外れた。
黒羽君はまた俯いて、静かに頭を撫でられている。いつもなら抵抗するのに!ちょっと甘えてる……?か、可愛い……!
「黒羽君、よしよし」
「ん、もうわかったから」
顔を上げたと思ったら、少しムスッとした顔で目を合わせない。
ぅああ可愛い可愛すぎる…!
かっこいいだけじゃなく可愛いも持ってるなんて罪だ!
なんかもうさ、
「食べちゃいたい。ふふ」
「え」
「あ」
やば、口に出てしまった……!!
「あ、えと……ほら、この黒い髪の毛がさ、私の大好きなあの食べ物に似てて…」
食べ物が思い浮かばない!
こんな食べ物ないだろ!
無理やりすぎた……!
「……普段おめー何食って生きてんだ?なんか謎の生物にしか思えなくなってきた」
「ひどい!!」
あの可愛い黒羽君はどこ行ったの!
確かに私の食べ物の趣味を疑うかもしれないけどそこまで言わなくても……!
ムッとしていると、逆に頭を撫でられてしまった。
「なんだよもー機嫌良くなっちゃうじゃないか」
「素直だな。可愛い」
か?!
かかか可愛い?!
ガタリと席を立ち上がると、一瞬驚かれたがすぐにいつもの意地悪な黒羽君の顔に戻った。
そう、あのニヤリとした顔に。
「……な、なにさ!」
「……食っちゃいてー」
「くっ?!くくくく……」
食っちゃいたいぃいい?!?!
え!!
何それ!!
私幸せなの?!
幸せだよね?!黒羽君に食べられちゃうの?!いやむしろ食べて!!
今ならフォークで突き刺されても痛くないよ!
「え?おめーも言ってたろ?」
「い、言ってたけどさ!!男が言うのと女が言うのは違うよ!」
「てことはさっき俺に言ったんだ?」
「!!」
なにこれ!!
誘導尋問的なアレじゃないですか!
狡いそんなの狡い!!
確かに黒羽君に言ったけどこれじゃあ私ただの変態じゃん!!
……あれ?でも……
「じゃあ黒羽君も私に言ったの?」
「っ!!俺は……俺はおめーの…その……」
わ、私の……?
真剣な顔で見つめられ、唾を飲み次の言葉を待った。
あぁ、もう。私、黒羽君になら食べられてもいいよ………
「おめーのその後ろにある菓子を食っちゃいてーって言ったの」
「なにぃいいいっ?!」
お腹を抱えて爆笑する黒羽君に、今日も私は弄られてます。
お菓子さえなければ……!!
くそ!嫉妬するぞお菓子このやろうっ!
ーEND?ー
「うっ……」
「どした?」
「うえーん!ひどいよ黒羽君私を弄ぶなんてー!」
「うわっ!泣くなよわりぃって…!冗談だろっ?な?」
「……ひっく。冗談……?」
「ん、冗談」
「じゃあ私に言ったの?」
「………〜〜〜っ!!!」
「あれ、顔真っ「黙れ鈍感!!」
「辛辣!!」
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