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「おまちどおっ!コナン君!」

「わーいありがとう!」


コナン君が黒羽君に集中しない様、必死に話しかけた。

コナン君が好きなレモンパイだったり、蘭ちゃんの話だったり。
でもこの考えを先読みされているのか、どの話もすぐに終わり黒羽君探りの目になる。
キッドの話をすれば長く話せるんだろうが、本人の目の前でその話をするほどひねくれてはいない。

あとは最終手段……


「ねぇ、コナン君!ホームズ大好きなんでしょ?私あんまり知らないから、教えてよ!」

「ホームズ興味あるの?!本貸してやるよ!」


おいおい最後少し新一君出てたぞ。
でもノッてくれた!!
このまま聞き専になれば……。





ーーーー


「じゃあまたね!名前お姉ちゃん!」

「ば、ばいば〜い」


何時間語られただろうか。
聞き専になって質問を絞り出した私の精神面は限界だ。

オーバーヒートして後半は右から左へ受け流した。
疲労感が半端じゃない。
痩せたかも。



「随分仲良さそうに喋ってたじゃん。おめーらいつの間にそんな仲良くなった?」

「頑張って聞いてただけだよ!実際そんなにホームズ興味無いもん……コナン君には申し訳ないけど……」

「にしても楽しそうだったけどな」

「まぁ、コナン君は前の世界ん時から好きだったから!可愛くてぎゅーってしたくなっちゃうよ!」

「……そ。」


あれ、冷たい。
何かしたかな?


「黒羽君のいれてくれたカフェオレが飲みたいなー!」

「自分でいれろ」


こっちを向かずその一言だけ言うと、そのままキッチンの奥へ行ってしまった。

取り残された私と寺井さん。
寺井さんは微笑みながらキュッキュとコップを拭いている。

寺井さん何か原因知ってるのかな?


「寺井さーん、黒羽君つーめーたーいー」


お客さん用の椅子に座ってぐたりと机に突っ伏しながら嘆く


「じゃあ今日はもうあがって、ここで快斗ぼっちゃまと夜ご飯でも如何です?その時に直接本人に聞いてみてはどうですか?まぁ、答えてくれないでしょうけど」

「じゃあ寺井さんはなんで黒羽君冷たいか知ってるんですね?わかっちゃったんですね?」


やばい事言っちゃったのかな……


「ええ、寺井は気づいちゃいましたよ」


気づく?わかったんじゃなくて?
なんて思ったけど別に聞き返す程の事でも無いので、お疲れ様ですと言ってタイムカードをきった。


「今日はハンバーグにしますね。作って来るので、快斗ぼっちゃまとお話してて下さい」

「ハンバーグ?!やったー!」



寺井さんはニコニコと微笑み、キッチンに入って行った。
その代わり黒羽君が出てきて、ちょっとぎこちなく2人きりになった。


「黒羽君、なんで冷たいの?」

「別にー」

「あ、ムスッとしてる」

「してねーよ!」

「あ、怒った」

「いちいち感情を読み取って口にすんな鈍感!」


何故今鈍感が出てくる!!


「ひどい!私今何も失敗してないよ!」

「ドジと鈍感はちげぇぜ?」

「じゃあ私今何したのさ」

「……なぁ。おめーキッドの手伝いしねー?」


ええええ!
いきなり話変わった!
はぐらかされた?!

でも嬉しい!!
やりたいよ!
念願の夢だった助手!!
やりたい!!


「やりたいやらせて下さい!!」

「遊びじゃねぇんだぞ?警察に捕まったら終わりだからな?」

「わかってるよ!」

「ドジったら終わりだぜ?あの名探偵だって追っかけてくる」


うっ……。
コナン君と仲良くなってしまったから少しやりづらい……


「わ、わかってるよ……」

「んじゃ決まりな!ドジらねーように気を付けろよ!まじで!あとは名探偵にバレねー様に顔と声は隠さねーとな」

「ななななんか緊張してきた」

「日頃から気を付ければ大丈夫だろ」


楽しみだとニコニコしながら言ってくれた。もしかして………




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