06
「黒羽君!これなーんだ!!」
ぱっと開いた手。
そこには………。
「………手のひら」
「うっそぉおおお!あれ?!飴が出てくるはずだったのに……!!」
はぁ。あほだなーこいつ。
「まさかくだらなさも持ってたとは驚きだぜ……」
「違うんだって!!ちゃんと飴出てくるはずだったの!!」
「へいへい」
「黒羽君〜……教えて……」
「やだ。快斗って呼んだらいいぜ」
「か、かかかか快斗……教えて……」
かが多いな。
「ぷっ。どもりすぎだけどいーや。わかったからぐずんな」
頭に手を置くと、猫みたく擦り寄ってきた。可愛くてまたキスをすると、照れながらも、ぎゅっと抱きついてきた。
あぁもう。可愛いすぎ。
俺、名前好きすぎてやべーわ。
ーENDー
「でさー、寺井さんったら、やっとお付き合いできて良かったですねー、なんて言うからさー、なんか改めて実感して嬉しくなっちゃってさ、お昼ご飯二杯もおかわりしちゃっ「だぁから飲み物注ぎながら喋んなっつーの!!」
「きゃぁああ!!快斗布巾布巾!!」
「ったく!おめードジ完全再発したんじゃねーの?!」
「うぅ……また向いてないって言う?」
そんな泣きそうな顔すんなっつーの。
「……いや、言わねーよ。俺が傍にいてやるから」
「……うん!」
いくら付き合ってるとはいえ、結局はこいつのドジのおかげでいつも傍にいれてんだよなー。
名前様様だぜほんと。
「あ、コナン君いらっしゃい!こんな時間に!」
「今日学校おやすみだからさ」
「あそっか!何飲むー?」
「今日はコーラにしようかな!」
「快斗ー、コーラ取って!」
「お前が注文受けたんだろーが……」
「あれ、下の名前で呼んでるー。お付き合いでもしたのー?」
「「そうだよ」」
うわ。
名探偵の目の色変わった。
やっぱり好きだったんだな。
「へー。じゃあ、これから思う存分追っかけられるわけだな……」
「えっ?!」
「やっぱり気づいてたか」
「今まで悩んでたがそこは感謝だぜキッド……おめーら2人を現行犯逮捕できるからな……」
ニヤリと笑った名探偵
あいつはあいつなりに、好きな人の正体知ってどうするか悩んでたみてーだな。
まあ、捕まる気も渡す気もさらさらねーけど。
「か、快斗……どうするの……正体バレてたよぉおおお。夜逃げする?」
「しねぇよ!……向かってくさ」
諦めねーだろうな。
名前のことも、俺を追うことも。
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