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「名前……ごめん、泣くな「ふぃーっ!!さっむ!やっぱ冬はアイス食べるもんじゃないなー!でもこれ新発売だったしおいしいから感無量ー!でももういーかな…」

「え」

「え?」


振り返った名前は涙1つ流しておらず、真っ赤な手にはアイスが握られていた。


こいつ………!!


「く、黒羽君!!……食べる?」

「いらねーよ!」


とは言ったものの、もういらなさそうな顔をしていたから俺が全部食ってやった。

まじさみぃ!!



「……ここだと思った。バーロー、探して下さいってなんだよ。普通探さないで下さいだろ」

「だ、だって探して欲しかったから……」


はぁ。こういうところが好きなんだよな



「そっか。ごめんな、あんな事言って」

「んーん、私も迷惑かけてるなって思ってたから」

「ほんとは思ってねーよ。迷惑なんて」

「え?でも……」


もう、言ってしまおうか。
名前は俺のことをファンにしか思ってないかもしれない。

名探偵が好きなのかもしれない。

でも、もしそうなら。
もしそうでも、構わない。
俺はずっと影で好きでいるから、
応援しているから、
気にしないで。


「名前が傍にいてくれて、近すぎて、自惚れてた」

「えっ……?」

「でも、わかんなかったんだ。名前は俺のファンなだけなのか、本気で好きでいてくれてるのか」

「………」

「最近、名探偵と仲良くなって、俺の知らない話を名探偵とする様になってて、正直嫉妬した。でも、俺は……名前が好きだ。ドジで、鈍感な名前が好きだ」

「うそ………!!」

「でももし名前がただのファンなら、名探偵が好きなら、」

「ねぇ黒羽君」

「……え?」

「コナン君ってさ……工藤新一君ってさ、かっこいいよね。みんな好きになるのもわかるよね!!」



言葉に詰まった。
俺の話を遮って、名探偵の話をして。

きっとこの先は聞きたくないのだろう。
玉砕した音が聞こえた。


「ね!そう思わない?」

「……だなっ……!」



無理やり笑顔で、そう答えた。
もしだめなら、影で見守ると決めたから。




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