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「ほら、言えよ」

「うん…すっ……すすっ……」

「………」

「す、すきやき!!」

「「「「「…………」」」」」


ああ。言えなかった…

恥ずかしさのあまり俯いていると、前から溜息が聞こえ、顔を上げた。


「はぁ…ったくおめーはばかだな…名前、好きだ。俺も。」


そういうと、黒羽くんはみんなの前で私に触れるだけのキスをした。


その瞬間、目が点だったみんなはおめでとー!!!と拍手で盛り上がり、一気に祝福ムード。


えっ?頭が追いつかない…
どういうこと…?


「ちょっ…えっ…?」

「俺の負けだ。最初は変なヤツって思ってたけど、それが嫌いじゃねぇんだよな、困ったことに。こんな変なヤツには俺しかいねぇよな、名前?」


二カっと笑った黒羽くんの笑顔は、今までの中で1番かっこいい。

心臓が破裂しそうな思い。


「…うんっ!!私みたいなヤツには、黒羽くんしかいないよおおおお!!」


泣きながら黒羽くんに抱きついた。

嬉しくて、嬉しくて。


「おっ、おい名前…っ!」


黒羽くんはびっくりしながらも、私をぎゅうっと抱きしめ返してくれた。


「黒羽くん、大好きだよ」


黒羽くんの耳元で、心の底から真剣に言った言葉。


「俺も大好きだぜ、名前」


次は私の耳元で言い返してくれた黒羽くん。

私の想いは、届いたんだね。

この私達の会話は、盛り上がってるみんなには聞こえなかっただろう。


「…そうだ!みんな知ってたの?!こうなること!」

「「「「知らなーい」」」」

「…ええっ!?じゃあなんでみんなびっくりしなかったの?!」

「名前が快斗を好きなのは皆元々知ってたし、快斗はきっと言われてほんとは満更でもないんだろうなって思ってたところ。

そん時にガキんちょと紙を交換した快斗を見て、これはなんか進展あるなって睨んだのよ♪」


みんなそうよねー?と言うと、黒羽くん以外みんな首を縦に振った。


「バレバレだな…」


へらっと笑う黒羽くんは眩しくて。


「黒羽くん…笑顔が素敵…!!」


目をハートにさせて黒羽くんに抱きつくと、初めてうざいと言わずに眉を下げて笑ってくれた。


「「「「はじまった…」」」」


こうして私たちは無事お付き合いをすることができました♪


ーENDー

数ヶ月後…


「帰ろうぜ名前!」

「うん!青子は?」

「今日用事があるとかでさっさと帰っちまった」

「そうなんだ…」

「なぁ名前、どっちが玄関に先に着くか勝負しようぜ」

「えっいきなり?!」

「おう、いきなり」

「なんで何でもかんでも勝負にすんのーっ?!」

「俺勝負するのが好きだからさ」


そのまま黒羽くんは先に行ってしまった。



ーー勝負するのが好きですから…



「その言葉どっかで聞いたような…」


まぁいっか♪


「待ってよー!!」


と私も猛ダッシュ。

お決まりの様に私が負けて、負けた罰としてお泊まりを提案された。



勿論、断る理由なんてないよね。




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