06
「はい!!次私王様!!」
私だった。
「げっ…こえぇ…」
黒羽くんは大層嫌そうな顔をしている。
大丈夫、そんな変な命令じゃないから。
「んじゃぁいくよー?黒羽くんが王様にちゅーをする!!」
その瞬間、みんな吹き出した。
さすが名前だねー、なんて女の子達は大笑い。
そんなに褒められても。えへへ。
「っはああああ?!なんで指名なんだよ!しかも王様にってそんなルールねぇだろ!?無効だ無効!!」
「そのわりには顔赤くなってるよ!」
「なっ…!んなことねぇよアホ子!!とにかく無効だ!!」
「えええええ…せっかくチャンスだと思ったのにーじゃあ3番と5番が握手」
「うわいきなり普通の命令」
「はーい!私5番!」
園子が5番、そして3番は蘭で、2人は握手を交わす。
「なにこれちょーつまんないんですけど!!」
こんな事を繰り返し、しばらく王様ゲームをしていた私達は、そろそろネタがつきてきた。
「次は私が王様よん♪」
「園子王様かぁ」
「んーそろそろネタがなくなってきたわねぇ…」
「んじゃあ、これで最後にすっか」
「そうね…じゃあ、2番が4番に大事な発表!!」
私4番だ!誰に何を発表されるのだろう
「私4番!」
と手を挙げると、コナン君も手をあげた。
「僕2ば「かせ坊主」
言っている途中で、横にいた黒羽くんがコナン君の番号を取り上げた。
「お、おいキッ…快斗兄ちゃん」
すると黒羽くんはコナン君になにやら耳打ちをし始めた。
するとニヤっと笑ったコナン君は、黒羽くんに素直に紙を渡した。
それを見た園子は、面白くなりそう、と呟いている。
なんだ何が始まるんだ。
「2番俺!」
と紙を挙げたのは黒羽くんだ。
「えっ?いーの?2番はコナン君くんだったんじゃ…」
と私が心配すると、
「2番は黒羽快斗でいいわ!女王様の命令よ!」
と園子はフンっとドヤ顔。
私の気も知らないでぇ……
まぁ、知るわけないよねしょうがないよね……うぅ……
「ならいいけど…」
正直、嬉しかったけど怖い。
大事な発表?
実は青子と付き合ってますとか?
ごめん、俺のこと好きだと思うけど、付き合えない。とか…?
きっと、コナン君と代わるってことはそっち方面だ。
「んじゃあ、名前、言うぞ?」
「あ…う…ん…」
覚悟を決めた。
「さっきのババ抜きでおめーは負けて、3回真剣に好きだと言えって言ったよな?まだ、3回目を聞いてねえ。今言ってくれ。」
「…へっ?大事な発表って…それ?」
「大事な事だろ?発表ではねぇけど…」
「そうだけど…」
ほぼ毎日黒羽くんに好きだと言っていることを知っているみんなは、特に驚いた反応もなく、シーンと私たちに注目する
私の、本当の最後だ。
みんなの前で真剣に好きだと言うのも、振られるのも恥ずかしい。
でも、これでみんなに理解させようとしてるのかな。
もうここまで来たら言うしかないよね。
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