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「うぬぅ……」

2人とも順調に手元のカードを無くしていく。

1回戦は…


「私の勝ち!!やったあ!!」

「あー負けたー」

「なんで棒読みなの?…まさか……悔しいところを見せたくないんでしょ?!」

「はい、2回戦目やるぞー」

「あ、はい」




2回戦目、私の負け

これで一対一の同点だ


「くっそー…次!次は私が勝つ!!勝たなければ…!」

「はい、最後やんぞー」


そして3回戦目


3回戦目も2人で順調に手元のカードを減らしていく。

ババを持っているのは私。

黒羽くんがこれを引いてくれれば…


私の手元に残っているカードは2枚

ババと、クローバーの1


「さぁ、黒羽くん、どっちを選ぶ?」

「んーどっちだろーなー?」


黒羽くんは、ババを引こうと手を伸ばした。

よっしゃ…!
引け…!!!

そう思っていると、その手はクローバーの1に。

あっ、それはだめ!!

反対!反対ー!!

その願いが通じたのか、またババに手が行く。

決まったな…!

そう思うとまたクローバーに…
黒羽くんは何度も行ったり来たりを繰り返す。それを目で必死に追うと、ぷっと吹き出された。



「…遊んでるでしょ?」

「お、バレたか?ははっ」

「バレてるよー!」

「ま、おめーもバレてるぜ?」


そう言って黒羽くんが最後に取ったのは、クローバーだった。


「まっ負けた…悔しいいいいい!勝ったら黒羽くんをあーしてこーしてそーする予定だったのに…!!!」

「おいおい…こえーよ…」

「私を弄んだ!!」

「おめーわかりやすいんだよ!ババに手が行った時の顔、写メとっときゃ良かったな!」


とお腹を抱えて爆笑する黒羽くん


恥ずかしい…どんな顔してたんだろう私…


「んじゃ、俺の勝ちっつーことで、何してもらうかなぁ」

「俺のことを諦めろだけは嫌…それだけはだめ〜〜〜っ」


目を瞑り、両手を合わせてお願いした。


「…じゃ、真剣に好きって2回言って」

「…えっ??」


真剣に……?
ちゃんと振る機会を作ったのかな。
結局、俺のこと諦めろって事なの?

もう、終わりなのかな

きっと何をやっても、私が黒羽くんを諦める方に持っていかれる。

遠まわしに言う黒羽くんは、やっぱり優しいね

いつか終わると思っていた片想い。

もう少し、もう少し片想いしていたかった。

でも、黒羽くんがそこまで願うなら。

私は、諦めるよ。




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