03
「…何しにきたんだ…?恋の相談かな?……あ。お母さーん!!!怪盗キッド来たよー!!」
部屋から大きな声でお母さんに伝えると、え?!と言ったお母さん達が私の部屋のドアを勢いよく開けた。
「どこ?!」
「もう帰った」
「なんで逃がすのよ〜…まぁ、宝石は盗まれてないし、あなたも無事だし良かった…」
「なんかねー、相談に乗ってくれて帰った!!」
「「……は?」」
ーーーー
「名前姉ちゃん、久しぶりだね!」
「コナンくん!久しぶりー!相変わらずちっちゃいねー!可愛いー!!」
キャンプ当日、久しぶりに見た小さいコナン君が可愛くて、思わず抱っこしてぎゅうっと力強く抱きしめた。
「名前姉ちゃん、痛いよ…」
「ごめんごめん!あまりにも可愛くて絞め殺すところだった!」
「や、やだなぁ、怖いよー…」
コナン君は苦笑いをしながら、もう降ろして?と言ったのでなくなく降ろした。
「おい坊主、サボってねぇで手伝え!」
「はーい…」
「快斗嫉妬ー?」
ニヤニヤしながら聞く青子に、ナイス青子!!と心の中で親指を立てた。
「なわけねぇだろバーロー!」
「なぁんだ、残念」
あ、睨まれた。
「…そんなに見つめないでよ照れる…」
「あああおめーと話すとほんとめんどくせぇ!」
「怒ってるところもかっこいー♪」
「……」
黙り込んだ黒羽くんは、うちわを持って私の頭に1発。
「いたっ」
「痛くねーだろおめーも手伝え!」
「はーい」
苦い顔をして返事をすると、みんな笑っている
私が黒羽くんにしつこく好き好き言っているのは、蘭も園子もコナン君も、勿論知っている。
みんな少し呆れ気味みたい。
テントを立て終わると、みんなでしばらく話をしていた。
お互いの学校での出来事、怪盗キッドの話、黒羽くんの話(私だけ)…
その後もBBQをして、あたりを散策して、黒羽くんのマジックを見せてもらって、あっという間に夕方になった。
「そろそろお風呂入りたいわねー」
「近くに温泉あるけど、みんな行く?」
「青子行くー!」
「私も!コナン君も行こうね♪」
「うん!行くー!」
「俺も行くわ」
「…あれ?名前行かないの?」
「ごめん、私今女の子の日なんだ…みんなで行ってきて」
「そっか、それはしょうがないね」
「なら俺も行かねぇわ」
そう名乗りをあげてくれたのは、黒羽くんだった。
「えっ?!黒羽くん私の傍にいてくれるの?!」
「別に傍にいてやるわけじゃねぇけど、おめー1人だと寂しいだろ?」
「黒羽くーんっ!!」
黒羽くんの優しさに乾杯♪
なんて言いながら引っ付くと、また引き剥がされた。
「だぁからくっつくな!!」
「快斗くんがいるなら安心だね♪じゃあ4人で行ってくるから♪」
「僕も後にしようかな…?」
「だめよー!コナン君、1人で入るなんて危ないでしょ?ほら、行くよ!」
「えーガキんちょ私達と入るの?」
「しょうがないでしょ園子、コナン君1人だと危ないし…」
「まっ、それもそうねぇ」
「僕、後で快斗兄ちゃんと入るよ…」
「ガキんちょ、2人の邪魔をする気…?」
「うっ…」
「さぁ行くよ!」
囚われた宇宙人の様に蘭と園子に連れらて、横で青子が笑いながら4人は温泉へ。
「2人っきりだね、黒羽くんっ」
語尾にハートをつけて言うと、気持ち悪いと一言。
ひどい。
「名前、ゲームしようぜ」
「ええっ…!!2人っきりでなんのゲーム…?」
ほっぺに手を当て照れながら言うと、苦い顔をされた。
「おめー何のゲームしようとしてんだ…?ババ抜きな!」
「えっ…2人でババ抜き楽しくなくない?!」
「ババ抜きで3回勝負!負けた方は、言う事を1つ聞く!これでどうだ?」
「やります!やらせてください!」
「乗ると思った…」
こうして2人だけのババ抜きが始まった。
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