16-4
玄関を開けると、異様な光に包まれた。
「眩しっ…!」
「怪盗キッドとはどういう関係なんですか?!」
「毎回連れ去られていますが、お2人でどこに行かれているんですか?!」
「ニュースでは、怪盗キッドの恋人とされていますがあれは事実ですか?!」
「えっ…!」
しゅっ、取材陣〜?!
待ってたのか…!!
てかいつの間に家突き止められてたんだ!!
うわーやだ怖いなあ…
質問攻めだし……
「なんの関係もありません…!!」
「ではなぜいつも屋上に?!」
「たまたまです…!!」
「いつもたまたまですか?」
めんどくさいなあ…
たまたまだっての!(違うけど)
「いつもです!とにかく怪盗キッドとはなんの関係もありませんし、私彼氏いるので!!」
「それは怪盗キッドですか?!」
「だから違いますって!!同じクラスの人です!!」
「では怪盗キッドとはいつ頃からお知り合いだったんですか?」
「たまたまって言ったじゃないですか!知り合いでもなんでもありません!もう行きたい場所があるのでいいですか?」
「今日はホワイトデーですが、その関係のお出かけですか?」
「違います!」
言い放って逃げる様に記者の間を通り、早足で歩いた。
それはもう競歩並に。
「…うん、ついてきてないな。はあ。なんかどっと疲れが…」
そこから久しぶりに夜景を見に公園の山を登った。
「ふぅ……ついた」
相変わらず息を切らして登り、深呼吸をした。
息が整った所でその場に座り、夜景を眺める
1人で来たのは2回目だ。初めて来た時は、元の世界に帰ろうとした時だっけ。あの時は凄い寂しい思いで来たけど…まさか付き合う事になるとはなぁ。
なんて夜景を見ながら過去を振り、改めて思う。
幸せなんだなあ、今の私は。
……あ。この夜景写メ撮ろ。
そう思い携帯のスイッチを入れるが、画面が暗いまま。
まさかと思い電源ボタンを長押しすると、emptyと表示された。
「あー、昨日の夜充電し忘れたからかあ。あーあ…」
はぁ、とため息をつき再び夜景を見るが、冷たい風が体を冷やす。
「…さむっ…そろそろ帰るか…」
立ち上がって雪を払い、階段を降りて行く。
「うぅっ…寒い〜っ…早く帰ろ」
あと二段程で降り終えそうな時、いきなり声が聞こえた。
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